ラグビーリパブリック

向上したスローイング。谷口琴美[女子日本代表・横河武蔵野/HO]

2024.07.19

スクラムでの手応えも徐々に掴んできた。写真はW杯2021NZ大会(撮影:松本かおり)

 香港遠征での2試合で、サクラフィフティーンは大きな成長を見せた。ラインアウトが安定したのだ。

 スローイングを担うHOの谷口琴美は、責任を感じていた。

「少しずつは成長してはいたのですが、自分のミスで成功率が落ちたり、そこから流れが変わってしまうことが今までかなりありました」

 今回の遠征は、その課題を払拭する足がかりとなった。今季から入閣したマーク・ベイクウェル アシスタントコーチの丁寧な指導で、スローイングのスキルを向上させていたのだ。

「ラインアウトの獲得率についてはかなり厳しく言う方なので、これまで以上にスローが大事と認識しています。気づいていなかった自分の癖を指摘してくれたおかげで、安定してきた感覚がありました。これまでは投げた後のフォロースルーができていなかった。投げた後にすぐ走り出してしまう癖もあり、毎回同じ動作でやらないとダメだと、何度も何度も言われました」

 3月から始まったFW合宿の成果でもある。ベイクウェルコーチがラインアウトのムーブを一新する中で、合計5週間のキャンプではラインアウトに十分な時間が割かれた。FW間の連携も増していた。

 初めて出場した2022年開催のW杯NZ大会を経て、30歳で迎えるイングランド大会への意欲は高い。

「初めてだった前回大会は全然実感がなくて、とにかく頑張るだけだった。でもその中で、世界の壁は高いと思ったけど、まったく越えられないものでもないと思えた。だからもう一度挑戦しようと思いました。今回は絶対に予選を突破してベスト8まで行きたいです」

 セットプレーの要としてさらに精度を高めるだけでなく、フィールドプレーの向上も誓った。

※ラグビーマガジン8月号(6月25日発売)の「女子アジアラグビーチャンピオンシップ2024」掲載情報を再掲

Exit mobile version