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メンバー入りに「テンション」上がった。日本代表ティエナン・コストリーの堅守と謙遜。

2024.07.10

7月6日のマオリ・オールブラックス戦にJAPAN XVとして出場したティエナン・コストリー(撮影:早浪章弘)

 わくわくしていた。

「(試合の)メンバーに入ったとわかった時に、すごく嬉しくて、テンションが上がって…。自分の国の人と戦うのはいい経験だし、相手には何人か(来日前の)友達もいました」

 ラグビー日本代表のティエナン・コストリーは、7月6日、対マオリ・オールブラックス2連戦の2試合目にベンチ入り。若手主体で編まれたJAPAN XVの20番をつけた。

 かねて正代表の主力格と見られていたコストリーは当初、JAPAN XVから外れていたが、日本代表としてJAPAN XVの活動に混ざる流れで登録された。29日の初戦で10―36と屈したチームに、プラスアルファをもたらすのを期待されたか。

 東京・秩父宮ラグビー場から愛知・豊田スタジアムへと舞台を変えたこの一戦で、通称「タマ」は、迎えた後半11分に登場した。

 折しも11-7とわずかに先行していた。リードを守りたかった隊列にあって、効果的なモール防御、激しいタックルを重ねた。特に、味方と2人がかりでタックルする際の「2人目」になった時のインパクトを重視した。

 ノーサイド。26-14。自身のプレーについては、ひとまず「まだ映像とかを見ていないのでどのようなタックルができたのかはわからないですけど、いいのがあったら、嬉しいです」。ネイティブ並みの日本語で謙遜する。

 守備を担当する「デイブ」こと、デイビット・キッドウェルアシスタントコーチに感謝した。

「デイブがラック(接点)周りの役割、タックルの仕方、細かいディテールをクリアにしました。練習でのハードワークのおかげだと思います。先週より成長した」

 身長192センチ、体重102キロの24歳。2019年に母国ニュージーランドから来日し、中国地区大学リーグの環太平洋大に入学した。

 来日1年目には、ワールドカップ日本大会で胸を打たれた。

 アイルランド代表、スコットランド代表などを下して初めて8強入りする日本代表の姿に「本当に感動して、私もそこに入りたいなという気持ちが強くなりました」。2023年にコベルコ神戸スティーラーズと契約すると、アーリーエントリー制度を使って22年度のうちにリーグワンデビューを飾った。

 実質1年目の23年度はクラブのレギュラーに定着し、持ち前の身体能力、危機察知能力、聡明さが買われた。

 エディー・ジョーンズ新ヘッドコーチ率いる日本代表の活動には、2月の候補合宿で初参加している。

「私の強みはスピードで、エディーさんもスピードを使っていきたいと言っている。強みを活かしたプレースタイルで、チャンスを作りたいと思います」

 アピールの末、イングランド代表戦でテストマッチ(代表戦)デビュー。6月22日の東京・国立競技場で日本代表の7番を背に、グラウンド端側で快足を飛ばしたり、身体衝突で爪痕を残したりした。さらに、件のマオリ・オールブラックス戦でも渋く光った。

 マオリシリーズを終えると、ジョーンズ体制の集団は日本代表となってスコッドを再編成。コストリーもそのグループに加わり、次なるテストマッチでも出場機会をうかがう。13日、宮城・ユアテックスタジアム仙台でおこなわれるのは、ジョージア代表戦だ。

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