ラグビーリパブリック

【U20日本代表】スリムでもタフ。亀井秋穂[明大2年/FL]

2024.07.10

191センチの長躯で、高校代表では立ち幅跳びNO1だった(撮影:長岡洋幸)

 U20トロフィーのプールAに属するU20日本代表は初戦で香港代表、2戦目でサモア代表を破り、7月12日にスコットランド代表とのプール最終戦を迎える。

 U20チャンピオンシップ昇格のためには、プールAで全勝しプールBの1位とのファイナルを制す必要がある。2勝同士でぶつかるスコットランド戦はまさに「勝負の一戦」だ。

 ラグビーマガジン8月号(6月25日発売)では、大会直前に注目選手をピックアップしてインタビューをおこなった。

 そのインタビュー記事を、ここに再録する(掲載内容はすべて当時のまま)。

 線は細いがぶつかれば強い…。空中戦のラインアウトで跳ぶスピードがチームの狙いに適合する…。

 U20日本代表の永山淳アシスタントコーチにこう評されるのは亀井秋穂。「軽い分、速さと低さ(を極める)」とは、明大の2年生LOでもある本人。知性を重んじる人でもある。

 県下有数の進学校である長崎北陽台へ入るべく、何と小学高校学年の頃から準備を開始。中学受験で国立の国立長崎大学教育学部附属中に入り、自らの日常を「(普段から)勉強する環境」に整えた。

 新しい世界が好きだ。中学1年で県主催の英国ホームステイ企画に応募し、現地の暮らしで「ちゃんとした発音じゃないと伝わらない」と英語圏のリアルを感じた。

 これなら、周りのラグビー選手より海外で快適に暮らせそうだ。

 もっともその見立ては、U20日本代表の関連活動で覆された。

 ジュニア・ジャパンとしてパシフィック・チャレンジを全勝で制した4月、遠征先のサモアで驚かされた。食事に虫がたかっていて、日本から持ってきた白米のパックを温めようにも備え付けのポットに「前に使っていた人の水」が入っていた。

 このような試練の数だけ、強くなっているとも言える。

 U20日本代表の活動へは、2月のFW限定合宿から参加していた。

 ウェイトトレーニング、国内トップのリーグワンのクラブとのスクラム、モールのセッションを重ね、初夏までに筋量2キロ増と逞しくなった。

 かねて勤勉さ、速さ、賢さが長所の青年は、あらゆる意味でのタフさも身につけつつある。

(文/向風見也)

Exit mobile version