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【U20日本代表】貴重な経験を糧に。竹之下仁吾 [明大2年/FB]

2024.07.09

報徳学園時代は花園準優勝に貢献した(撮影:長岡洋幸)

 U20トロフィーのプールAに属するU20日本代表は初戦で香港代表、2戦目でサモア代表を破り、7月12日にスコットランド代表とのプール最終戦を迎える。

 U20チャンピオンシップ昇格のためには、プールAで全勝しプールBの1位とのファイナルを制す必要がある。2勝同士でぶつかるスコットランド戦はまさに「勝負の一戦」だ。

 ラグビーマガジン8月号(6月25日発売)では、大会直前に注目選手をピックアップしてインタビューをおこなった。

 そのインタビュー記事を、ここに再録する(掲載内容はすべて当時のまま)。

 ハイパントキャッチとキックの得意な報徳学園の正FBだった約2年前、参加した親善試合の後に取材を受けた。

「将来は日本代表になりたい」と伝えてその場を去ってから、「自分の言葉に違和感」を覚えた。
 まもなく話をした記者を探し当て、「…あの、さっきの話、大丈夫ですか」と確認を求めた。

 U20日本代表候補で明大2年の竹之下仁吾は、熟慮、熟考の人である。

「ハードワークは、相手が誰でも自分次第でできる。例えば『こっち』にラックができたらすぐ次のアタックに参加する。それは、目の前にいる人がディラン・ライリーでもできる。それに、そうして数的優位を作れたら(相手の強い)フィジカルに関係なく(攻められる)」

 身振りを交えこう話したのは6月中旬。ライリーら正規の日本代表と試合形式のセッションをした直後だ。

 向こうのグループには、自身と同じポジションで同い年の矢崎由高(早大2年)がいた。その事実に「悔しい部分はある」としつつ、7月のスコットランドでのU20トロフィーでFBを担えそうなことは前向きに捉える。

 3月からの選考過程ではCTB、WTBと複数の位置でアピールしてきたとはいえ、本職で国際経験を積めるのは嬉しい。

 遡って5月のニュージーランド遠征ではツアー主将を担った。

 ニュージーランド学生代表に2連敗し、「(練習の合間に)ジョグで移動しよう…というあたりを僕がうまくまとめていたら、士気が上がって勝つことができたかな…」。

 貴重な反省の機会を得られたと言える。

 すべての体験を養分に変え、進歩の跡をフィールドに示す。

(文/向風見也)

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