6月上旬におこなわれた宮崎合宿で、「超速ラグビーは自分の持ち味を生かせるスタイルだと思う」と語っていた。その言葉通り、WTBの根塚洸雅が日本代表で存在感を増している。
自身にとって約2年ぶりのテストマッチとなった6月22日のイングランド戦に続いて29日のマオリ・オールブラックス戦も先発フル出場を果たし、2試合連続でトライもマークした。トライを取ることが役割というべきポジションで、しっかり結果を残したことは確かな自信につながるはずだ。
「トライは常に狙ってますし、トライを取ることでチームの流れも変わる。取れる場面で100パーセント取ることが自分の仕事だと思うので、これからも続けていきたいですね」
173センチ、82キロと国内シーンでも小柄な体格ながら、身体操作の感覚に優れ卓越したボディバランスを誇る。相手タックルの芯をずらしながら狭いスペースを切り裂く鋭いランと、思い切りのよさがプレーヤーとしての強みだ。世界ランキング5位のイングランドや、複数のNZ代表経験者を擁するマオリ・オールブラックスに対しても、その走りでたびたび見せ場を作った。
「実際に戦ってみて、一瞬の加速やアジリティは相手がデカいからこそ通用するとあらためて感じました。(密集の近場に走り込むプレーも)正面から当たれば負けるけど、一歩ずらせば自分が有利になる。パスのもらい方やアジリティの使い方を、もっと突き詰めていきたい」
過酷な合宿から強敵相手の連戦とタフな日々を送っているが、「体はいい感じに仕上がっているし、アジリティもどんどんよくなっている」と語る表情がコンディションのよさをうかがわせる。「いい練習、いいリカバリーを続けて、試合で100パーセント出せるようしっかり準備していきたい」。笑顔でそう意気込みを語る。
チームは2試合とも相手陣22メートル線内へ攻め込んだところでプレーの精度を欠き、流れに乗り切れず連敗を喫した。ただ、その部分が改善できれば大きく変貌を遂げそうな感触はある。
「今日の試合も22メートル線内に入った数は日本のほうが多かった。そこで取りきれるかどうか。22メートルに入ってから自分たちのラグビーをできるようにすることが、これからの課題だと思います」
もちろんそこが自分の力を発揮すべきエリアであることはわかっている。日本代表の新フィニッシャー襲名へ。これからも結果を残すことにこだわっていく。