日本スポーツ振興センター(以下、JSC)は6月3日、国立競技場の民営化を担う事業者の優先交渉先を選定したと発表した。
昨年の7月に開始した今回の公募に対し、応募は3件。
もっとも高い評価点を得た、NTTドコモを代表企業とする「国立競技場 × Social Well-being グループ」に決まった。構成企業として日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)をはじめ、前田建設工業、SMFLみらいパートナーズが名を連ねている。
同グループは事業開始から30年間の運営権の対価として、528億円の支払いを提案している。正式契約は9月の予定で、2025年4月にJSCから業務を引き継ぐ。
収益の確保が難しいとされる国立競技場だが、同グループは先端技術の導入など、大きな変革を加えて収益拡大を図る発表した。
スポーツ大会の決勝戦や日本代表戦など、国内外の大規模大会の積極的な開催を目指し、国内外の有名アーティストによるコンサートやフェスなど多様なイベントの開催もおこなうとしている。
また、大型ビジョンやグループ席の新設、VIPルームの増設などが検討され、「グローバル水準の体験価値を実現する大規模投資」をおこなう考えだ。
JSCの芦立訓理事長は「優先交渉権者として選定されたグループからのご提案は、屋外スタジアム・ビジネスの新たな可能性を切り拓くような意欲的事業内容」とし、「スポーツを核とした利用に加えて、先端的な技術の活用、ホスピタリティサービスやネーミングライツの導入、日常的なにぎわいの創出など、多彩な内容のスタジアム運営事業が提案されています」などとコメントした。