ジョークを言うのが好きだ。ふざける時はとことんふざけ、やるべき時はしっかりやる。
胸に桜のエンブレムをつけた緊張感のある集団に加わっても、その自分らしさを失わないよう努めた。
2季プレーした静岡ブルーレヴズを今季限りで退団したジョニー・ファアウリが、日本代表候補の集まる「15人制男子トレーニングスコッド菅平合宿」に参加した。
合宿最終日の前日(5月28日)にインタビューに応じ、「インターナショナルでプレーするにはハードワークをしないといけない。まさしくその通りの合宿でした」と振り返る。
ブルーレヴズでは今季、出場機会が限られていた。7試合に出場し、先発はインサイドCTBでの2試合にとどまった。
それでも、エディー・ジョーンズHCの目に止まった。
「チームのゲームプランに私がフィットしなかったのは仕方のないことです。自分がコントロールできることではありませんから。ちゃんと練習に行き、やるべきことをやる。それに尽きると考えていました。良い人であり、良いチームプレーヤーであることを意識しました。プレータイムは少なかったかもしれないけど、正しいことをやれたと思います。なんたって、この合宿に呼ばれましたから。人数が足りなかったからかな?(笑)」
合宿前にはエディーHCと直接話した。「1分くらいだったけどね」と表情を崩す。
「真っ直ぐ走ってくれと頼まれました。あなたの仕事はその一つだと。日本人はフットワークが上手、そこは日本人に任せなさいと」
エディーHCの掲げる『超速ラグビー』は「セブンズに近い」という。U20ニュージーランド代表の経歴を持つ28歳は、セブンズ日本代表キャッパーでもある。
「超速というのは、ずっとオン(の状態)。セブンズも誰がハードワークしていないのかすぐ分かる競技ですよね。テンポが少し遅くなれば、ちゃんと注意されます。エディーがガイドしてくれることを嬉しく思っています。知らなかったのですが、エディーは意外と面白い。いっぱい冗談を言ってくれる」
セブンズ代表では2021年のドバイ遠征でキャプテンを務め、3キャップを得た。
「7人制でプレーすることを当時は考えていなかったけど、日本代表としてプレーできたことはすごく光栄でした。(15人制の)インターナショナルでプレーすることが夢だったので、これは正しい方向に向かう第一歩なのかなと」
来日したのは遡ること2018年だ。21歳と若くして東芝ブレイブルーパスに加入した。
当時チーフスで同僚だったリーチ マイケルに誘われた。
「リーチは東芝が自分に興味を持っていることを教えてくれました。でもその時は彼のことをよく知らなくて…。リーチをグーグルで検索したら、こんなに有名な選手なのかと(笑)。そこから日本での旅が始まりました」
ファアウリの加入と同時期にリーチも東芝に復帰。チーフスの先輩で元オールブラックスのリチャード・カフイらに、日本の生活のいろはを教わった。
「(NZにいる)家族が恋しくなることもあったけど、日本にいればいるほど家族をより助けられると思ったから努力できた。リーチとカフイは色々なことを乗り越える手助けをしてくれました。いまは日本が大好きです。日本代表でプレーしたい」
次の移籍先については、「わからない」と明かす。「まずは合宿に集中したい。明日が最終日ですが、それは合宿の後に考えたいと思っています」と話した。