D1・10位のブラックラムズ東京とD2・3位のNECグリーンロケッツ東葛の入替戦第2節が5月25日、相模原ギオンスタジアムでおこなわれ、ブラックラムズが第1節に続きグリーンロケッツを下し、D1残留を決めた。
第1節では、後半に連続トライを許すなど、「まだやれると思わせて終わってしまった」と試合後に話していた松橋周平。ケガの武井日向に代わりゲームキャプテンを務めるこの日の試合に向け、「ゼロに抑えて勝とう」とメンバーに伝えて臨んだ。
立ち上がりから強いプレッシャーをかけるブラックラムズに対し、グリーンロケッツは密集での反則でいきなり自陣に攻め込まれた。そして4分にはSHニック・フィップスのハイパントに対し、キャッチしたブラックラムズのWTB栗原由太にNO8アセリ・マシヴォウがタックルに行ったが、これがハイタックルの判定でイエローカードが提示され、開始早々に14人となった(その後、検証の結果レッドカードに)。
数的優位になったブラックラムズは、7分にはHO小池一宏、14分にはNO8サミュエラ・ワカヴァカがゴール前のモールを押し込み10-0とし、試合の主導権を握った。
勢いに乗るブラックラムズに対し、デイフェンスで受けに回ったグリーンロケッツは、17分にはFLミティエリ・ツイナカウヴァドラのノットロールアウェイに対し、反則の繰り返しでイエローカードが出され、2人少ない13人で戦うことに。
「15人対15人でも厳しいのに、13人になってしまった。かなり悲劇的なスタートになってしまった」とウェイン・ピヴァックHC。
スクラムやブレイクダウンの接点で優位に立ち、さらに数的にも優位となったブラックラムズは、攻守の起点となるSH髙橋敏也、NO8ワカヴァカがケガで退場したが、交代で入ったSH南昂伸、NO8ネイサン・ヒューズがしっかり穴を埋め、前半5トライを挙げて31-0で折り返した。
グリーンロケッツも、前半終了間際の36分には、CTBレメキ ロマノラヴァの突破からチャンスを作りゴール前まで攻め込むも、ブラックラムズの粘り強いディフェンスの前にゴールラインを越えることはできなかった。
後半10分、グリーンロケッツはFLツイナカウヴァドラの突破からゴール前でラックをつくり、SHフィップスの長いパスを受けたNO8ヴィリアミ・ルトゥア・アホフォノがインゴールに持ち込んだが、人工芝で足を滑らし、デッドボールラインを越えてしまうという痛恨のミス。
その後はブラックラムズが思い切ったプレーでボールを繋ぎ、トライを重ねた。そして試合終了間際には敵陣22㍍ライン付近のラックから、ブラインドに走り込んだLOマイケル・ストバーグが9つ目となるトライで55-0とし、試合を締めくくった。
今シーズン最後の試合で、ベストパフォーマンスを見せたブラックラムズ。ピーター・ヒューワットHCは「シーズン当初はこういった順位になるとは想像もしてなかったけれど、若いチームにとってこのようなプレッシャーのかかる試合を2試合経験できたことは、これからにつながると思います。来シーズンに向けて自信にしてほしい」と安どの表情を見せていた。
そして松橋ゲームキャプテンは、「ディフェンスでもしっかりプレッシャーをかけ、アタックでも自分たちのやるべきことをしっかりやることで、スコアゼロが達成できると思っていたので、相手のミスに助けられた部分も大きかったのですが、結果としてゼロに抑えたことは自分たちがしっかりできた、誇れる結果だと思います」と胸を張った。
敗れたグリーンロケッツのウェイン・ピヴァックHCは、「ブラックラムズは大きくて、強いチーム。D1に残留する資格があるチームだ」と相手を称え、さらに「グリーンロケッツは今年は再構築1年目の年で、今日の試合でどんなところが欠けているか、この先、未来に向けて何が必要なのか明確になった。来季は再構築2年目の年で、より強くなるために今日の試合の経験を活かしていきたい」と早くも来シーズに目を向けていた。
また、この試合を最後にグリーンロケッツを去るレメキ ロマノラヴァ キャプテンは「NECで最後の試合で、こんだけボコられて、ちょっと悲しい。これからNECにもっと強くなってほしい。3年間だけだったけど、NECはメッチャ楽しかった」とコメントした。