リーグワンの入替戦・第2戦が5月25日に三重交通Gスポーツの杜鈴鹿でおこなわれ、ディビジョン2・2位の豊田自動織機シャトルズ愛知がディビジョン1・11位の三重ホンダヒートを24-15で破った。
勝ち点4を獲得したが、第1戦でヒートがボーナスポイント付きの勝利(57-39)を手にしていたため、勝ち点で上回れなかったシャトルズのD1昇格は惜しくもならなかった。
ヒートは肝を冷やしたことだろう。それだけ序盤に見せたチャレンジャーのパフォーマンスは卓越していた。
シャトルズの先制トライは前半4分だ。キックオフからプレッシャーをかけてボールを奪うと、ゴール前でのPKからタップで速攻。サインプレーで相手を揺さぶり、大外で待つWTB中野豪が左コーナーに入った(5-0)。
その直後にはSOフレディ・バーンズが自陣深くから50:22キックを披露、連続攻撃から繰り出した裏へのキックにはWTB小笠原寛人がうまく捕球し、体を反転させてゴールラインを割った(10-0)。
続く18分に見せたのは、フレディの右足と並び、シャトルズのもう一つの武器であるスクラムだ。相手の反則を誘ってチャンスを広げ、再びWTB中野が仕留めた。
3連続トライにゴール決まって17-0。逆転D1昇格まであと2点と迫った。
シャトルズはなおもスクラムで奪ったPKを起点に敵陣深くで攻める。しかし、その猛攻は26分に一度途絶えた。
SOバーンズの飛ばしパスにヒートのFB、トム・バンクスが反応、インターセプトから約80㍍を走り切られた。
その後もシャトルズ優勢で試合は進んだが、17-7で迎えた後半、ヒートに先にスコアを許す。5分、カウンターアタックを起点にラックを連取。12フェイズ目でNO8パブロ・マテーラがスピードとパワーを持って左サイドを駆け抜けた。
17-12と5点差まで迫られたシャトルズだったが、三たびスクラムから流れを引き寄せ、17分にモールを押し込む。24-12として、逆転昇格まで1トライ1ゴールの位置につけた。
24分にキックチャージを起点としたヒートの連続攻撃から3点を返されたが(24-18)、終盤に入ってもゲームを支配した。敵陣22㍍付近でアタックを展開し続けた。
しかし、ヒートも意地を見せた。粘り強く守り続け、最後は18フェイズの猛攻を凌ぐ。FL古田凌主将のジャッカルで、試合を終わらせた。
「何がなんでも体を張るしかないと思っていた」とラストシーンを振り返る古田主将は、先勝して迎えた第2戦を「難しい戦いだった」と明かした。
「僕自身に焦りはありませんでしたが、マインドセットを作るのが難しかったです。その中で相手は死に物狂いで挑んできた。相手に合わせるのではなく、自分たちにフォーカスしなければいけないと、この入替戦であらためて学びました」
「ホームゲームで(今季)初勝利したかったです。負けた悔しさと来季ディビジョン1で戦える嬉しさと、複雑な気持ち」と胸中を語った。
リーグワン初年度はディビジョン3からスタートしたシャトルズを、着実に前進させている徳野洋一HCは選手たちを誇った。
「あと少し届かなかったところは残念ですが、今シーズンのベストゲームができた。本当に満足しています。胸を張って帰ります」