昨季と同じ顔合わせとなったディビジョン1のプレーオフ3位決定戦。快晴の秩父宮ラグビー場でおこなわれた一戦は、リーグ戦3位の東京サントリーサンゴリアスが同4位の横浜キヤノンイーグルスを40-33で破り、2023-24シーズンを勝利で締めくくった。
前半、主導権を握ったのはイーグルスだった。開始4分に大きくボールを動かすアタックでWTB松井千士が右大外を抜け出し先制すると、7-7で迎えた18分以降にLOリアキマタギ・モリ、WTB松井、さらにはFB小倉順平と3連続トライをマーク。26-7と大きくリードを奪う。
しかしサンゴリアスもここから勢いを盛り返し、36分にゴール前ラインアウトからFWが近場を攻め続けて最後はPR垣永真之介が左中間にグラウンディング。14-26と12点差にスコアを縮めて前半を折り返した。
後半も先にスコアを挙げたのはイーグルス。開始直後に中盤の連続攻撃からCTBジェシー・クリエルが抜け出し、大外でパスを受けたWTB松井がこの日自身3本目のトライをマークする。しかしサンゴリアスもここから開き直って攻勢に転じ、4分に流れるような連続攻撃からPR小林賢太、11分にはスクラムを押しきってNO8 タマティ・イオアネがフィニッシュ。28-33と5点差に詰め寄った。
ここから一転してゲームは膠着し、スコアが動かないまま終盤へ。そして迎えた35分、サンゴリアスはふたたびスクラムを力強く押し込んでプッシュオーバートライを奪い、ついに33-33の同点に追いつく。SO高本幹也のゴールは外れ逆転はならなかったが、最大の見せ場は最終盤に訪れた。
40分、イーグルスが左オープン展開でチャンスを作るも、連携の乱れから痛恨のパスミスでボールをロスト。すると入替で入ったばかりのサンゴリアスWTB江見翔太が転がるボールを拾い上げ、そのまま60メートルを独走する。WTBチェスリン・コルビのゴール成功で40-33とした直後に、フルタイムの笛が鳴り響いた。
20-26で敗れた昨年の3位決定戦、さらにはロスタイムの逆転PGで35-37と惜敗した今季第11節の雪辱も果たし、3位でシーズンを終えたサンゴリアス。田中澄憲監督は19点ビハインドから追いつき、勝ちきったゲームを振り返り、「3位という結果でしたけど、持てる力を出し切った」とコメント。「今日のプレーは去年の3位決定戦とは全然違う。チームとして成長したと思う」と選手たちの奮闘を称えた。
一方いい流れで先行しながら逆転を許し、悔しい敗戦を喫したイーグルス。昨季からひとつ順位を落とし、4位でのフィニッシュとなったが、沢木敬介監督は「同点で終えるのではなく、逆転するという意思を見せての結果。最後まで自分たちのスタイルを信じてやってくれたことは価値がある。見ている人にパッションは伝わったと思う」と胸を張った。