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浦安D-Rocksがディビジョン1昇格!入替戦で花園近鉄ライナーズに連勝。

2024.05.25

後半途中からインパクトを残したSOオテレ・ブラック。リザーブの強さも光った(撮影:早浪章弘)

NTTのチーム再編で昨季誕生した浦安D-Rocks。初のディビジョン1昇格を掴んだ(撮影:早浪章弘)

 リーグワンの入替戦・第2戦が5月24日に花園ラグビー場でおこなわれ、浦安D-Rocksが35-30で花園近鉄ライナーズを破った。
 1週前の第1戦(21-12)に続く連勝で、ディビジョン1昇格を決めた。

 昇格への80分は、簡単な道のりではなかった。先制パンチを決めたのは、追う側のライナーズだ。
 敵陣22㍍ライン付近でのラインアウトからSHウィル・ゲニアがラインブレイク、1分かからずして7点を挙げた(G成功)。

 花園に駆けつけた大勢のファンを味方につけたライナーズは、続く10分にも追加点を奪う。スクラムで反則を誘い、SOクウェイド・クーパーが3点に変えた。

 しかし、浦安も敵陣でボールさえ持てれば、アタックでの高い決定力が光る。14分、WTBリサラ シオシファがタッチラインに出る直前にオフロードパスでボールを生かし、これに反応したFB安田卓平が右コーナーに入った。

 風上の浦安はその後も攻め立て、18分にはCTBサム・ケレビが無人の裏へキック、WTB石井魁がインゴールでボールを抑えたように見えたが、TMOの結果、先にライナーズのWTB片岡涼亮がボールに触れたとしてノートライ。それでも敵陣にい続け、PGで2点差まで迫った(8-10/27分)。

 前半は、ライナーズが再び奪ったスクラムでの反則を起点に得たPG(38分)で、13-8とリードで折り返した。

 後半の立ち上がりも、ライナーズが主導権を握った。一度はスローフォワードの判定で7分のトライは取り消されたものの、その4分後には粘り強く攻めた9フェイズ目にSOクーパーがインゴールに転がす絶妙なキックを披露、CTBステイリン パトリックが抑えた。

 16分までに互いにPGを決め、スコアは12点差のまま20-8から23-11へと動く。

 ここで勝負に出たのは浦安だ。カウンターアタックを起点に敵陣22㍍内正面でPKを得ると、PGではなくタッチに蹴り出した。
「迷いましたが、自分たちは逃げ切るのではなく、勝ちに行こうと。モールにも自信があったので(タッチを)選びました」とSH飯沼蓮主将。強気の判断から、まもなくトライが生まれた。

 19分、LOサナイラ・ワクァがオフサイドの位置から相手のトライを妨害したとして10分間の退場、浦安にペナルティトライが認められた(18-23)。

 徐々にペースを掴んだ浦安は、20分過ぎにその勢いを確固たるものにする。ゴールラインを背に堅陣を敷き、タックルで前に出続け、相手を22㍍ラインの外まで出した。

「チーム力を感じられた瞬間でした。勝負の分かれ目になったと思う」(飯沼主将)

 SHゲニアがたまらず裏に蹴ったボールはデッドボールラインを割り、攻撃を終わらせた。ライナーズの選手の多くが膝をついた瞬間だった。

 その直後、交代で登場の右PR竹内柊平がファーストプレーで見せる。WTBセミシ・マシレワのキックに対して値千金のチャージ、NO8タイラー・ポールがこぼれ球を拾ってゴールラインを越えた。
 25-23と初めてリードを奪った。第1戦で9点リードしていたことを踏まえれば、一発でも逆転されない大きなトライだった。

 完全にペースを掴んだ浦安は、その後も控えSOオテレ・ブラックやCTBシェーン・ゲイツが躍動。33分のトライで32-23とし、試合を決定づけた。

 シンビンを含む9回のペナルティを重ねたライナーズの向井昭吾監督は、「勝ち切る流れを自分たちで切ってしまった。規律を守れなかった」と肩を落とした。

「アウェーということもあり、少し堅い入りになりました。去年の自分たちならそこでパニックになり、自分たちから崩れていったと思う。でも今年はみんなの目が死んでいなかった。自分たちのプロセスだけを信じれば、自然と結果はついてくるからと。得点関係なくいつも通りのプレーをしたら、やはり自分たちに流れが来て、この結果に繋がりました」と飯沼主将は試合を振り返った。

「去年は(入替戦でライナーズに敗れ)悔しい思いをした。近鉄ライナーズさんがいたからこそ、自分たちも成長できた。ようやくスタートライン。まずはトップ4、そして優勝に向けて努力したい」

脳震盪で5試合ぶりに復帰したSHウィル・ゲニア。電光石火の先制トライを挙げた(撮影:早浪章弘)

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