旧トップリーグ時代に優勝5度。チャンピオンになるのを是としてきた東京サントリーサンゴリアスにとって、2シーズン連続で3位決定戦に臨むのは不本意だろう。
主将就任2年目の堀越康介は「望んだステージじゃない」とし、それでも完全燃焼を誓う。5月25日、東京・秩父宮ラグビー場で、昨年度の同じカードで屈した横浜キヤノンイーグルスへ挑む。
「もう 1 回、サントリーのプライド、ファイティングスピリットを見せるチャンス。絶対に勝ちたいです。何かを変えることは特になく、やってきたことを精度高くやるだけです」
身長175センチ、体重100キロの28歳。スクラム最前列のHOとして、強靭さを売りにする。
昨秋のワールドカップフランス大会へ日本代表として挑み、帰国後はこのクラブの先頭に立った。
目指していたポジションには、つけなかった。
主力候補の海外出身者に怪我人が重なったこともあり、レギュラーシーズンは10勝1分5敗で1部12チーム中3位。19日に秩父宮であったプレーオフのセミファイナルでも、直近の対戦で2連敗していた東芝ブレイブルーパス東京に20―28で屈した。
ひと足早く今季を総括するとしたら…。堀越は言葉を選んだ。
「うまくいく試合も、うまくいかない試合もありましたが、いい時も、悪い時も、課題を見つけて成長してきた。このクラブのいいところです。そこは来シーズンにも必ず繋がると思いますし、あともう1試合、未来に繋がるゲームをしたい」
昨年度はSHの齋藤直人と共同主将制を敷いたが、今年度はひとりで船頭役を担った。
「皆のマインドセットを正しい位置に持っていくことが、僕のひとつの役割でした。そこに関しては大体、うまくいったんじゃないかと。ここ数試合(レギュラーシーズンの第15節以降)は負けているんですが、皆がバラバラになるというか、違う方向を見ることはなかった。チームは生き物。うまくいかなくなると不満も出てきますし、好き勝手やる人も出てくる。そういうなか、皆でもう一回、同じ絵を見て頑張ろうと、引っ張ってきました」
大変だったのでは。そう聞かれると、「シーズンを振り返ったら大変だと言うと思います。(いまは)必死なので」と笑った。