ジャパンラグビー リーグワンのディビジョン1は、5月4日にリーグ戦最終節となる第16節の3試合がおこなわれ、各地で熱のこもった戦いが繰り広げられた。
三重交通Gスポーツの杜鈴鹿では、ホストの三重ホンダヒートが開幕節で15-81と大敗を喫したコベルコ神戸スティーラーズに対し気迫みなぎるパフォーマンスを見せた。開始早々に先制トライを許したヒートだったが、すぐにSH北條拓郎のトライで7-7の同点に追いつくと、以降も互角の戦いを展開。17-21と4点差で前半を折り返す。
後半も一進一退の展開で進む中、ヒートは24-28で迎えた28分にSH北條がラックサイドを突いてこの日2本目のトライを奪取。SOミッチェル・ハントのコンバージョンも決まり、31-28と逆転に成功した。
しかし追い込まれたスティーラーズもここであわてることなく底力を発揮し、丁寧にアタックを継続して相手陣へ攻め込む。そして大詰めの38分、ラインアウトモールを力強く押しきってHO北出卓也が再逆転のトライをマーク。33-31のファイナルスコアで、スティーラーズが辛くも勝利を収めた。
なおこの試合でスティーラーズのPR山下裕史が後半17分から途中出場し、トップリーグ、リーグワン通算で歴代最多記録となる178試合出場を達成した。
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同じく激闘となったのは、秩父宮で行われた東京サントリーサンゴリアス-クボタスピアーズ船橋・東京ベイ戦だ。前半は10分のWTB尾崎晟也、14分と24分のCTB尾崎泰雅のトライなどでサンゴリアスが優勢にゲームを進め、19-7と先行する。しかしスピアーズは続くピンチをしのぎきると、31分にルーキーのPR為房慶次朗がラックサイドを割ってグラウンディング。14-19と詰め寄って前半を折り返した。
後半。サンゴリアスは連続攻撃を仕上げてCTB尾崎泰がこの日3本目となるトライをマークし、26-14と引き離しにかかる。しかし本当の戦いはここからだった。
スピアーズは8分、自陣ターンオーバー起点の切り返しからWTB山崎洋之が見事なコースどりで約50メートルを走りきり反撃の狼煙を上げると、14分にも連続攻撃を仕留めきって山崎が連続トライをマーク。SOバーナード・フォーリーのゴール成功で26-26のイーブンに戻す。
以降もお互いの意地がぶつかり合う激しい攻防が繰り広げられる中、スピアーズは67分に中盤の左展開でCTBテアウパシオネが抜け出し中央にフィニッシュ。これでこの日初めてサンゴリアスの前に出ると、38分には右コーナーのラインアウトから自慢のモールでHOスカルク・エラスマスが押さえる。
昨季王者ながらすでにプレーオフ進出がなくなったスピアーズは、さらに終了間際にもWTB山崎の快走でペナルティトライを追加。プレーオフ進出を決めているサンゴリアスに対しシーズンのラストマッチでプライドを示し、最終スコアを45-26まで広げてフルタイムを迎えた。