4月21日に開幕した関東大学春季交流大会。4月28日にはグループAの明大対流経大が明大八幡山グラウンドでおこなわれ、約350人のファンが見守った。
明大は1週間前の部内マッチでメンバーを選出、1年生の為房幸之介がFBで先発出場、また花園優勝メンバーのSO萩井耀司、CTB白井瑛人もベンチ入りした。
今季「奪還」をスローガンに掲げる明大は、個々の前に出るパワーは今年も健在。開始3分、相手ゴール前ラインアウトを起点にBKに展開、素早い球出しからWTB坂本公平が右隅に先制のトライ。
対する流経大は留学生をアタックの軸に、スピードのあるBKで仕掛ける。8分、相手ゴール前のPKからFWで前進、NO8ティシレリ・ロケティがディフェンスを引きずりながらインゴールへ。SO佐々木開のコンバージョンも決まって7-5と流経大がリードした。
その後、明大がゴール前ラインアウトからPR田代大介が前進、走り込んできたCTB山田歩季がインゴールまで運び、坂本がコンバージョンを決めて12-7と逆転。流経大もゴール前PKからWTBアポロサ・デレナギラが速攻を仕掛けロケティにパス、そして再度ボールをもらったデレナギラがインゴールに飛び込み12-12の同点とした。
しかし、FWのパワーで上回る明大がスクラム、ブレイクダウンで優位に立ち、徐々に試合の主導権を握ると、28分ルーキー為房のトライを皮切りに4連続トライで流経大を引き離し、40-12で前半を折り返す。
後半に入っても早いテンポでアタックを仕掛ける明大が流れをつかみ、トライを重ねた。しかし流経大も意地を見せる。26分にWTB中村楓馬が自陣10㍍ライン付近でインターセプト、そのまま60㍍を走り切りトライ。さらに直後のキックオフでFWの前進からBKに展開、ロケティのディフェンスライン突破から、再び中村がインゴールまで運び連続トライを挙げた。
しかし、流経大の反撃も及ばず、その後も明大が得点を重ね最終スコアは89-38。明大が13トライを挙げ、春シーズン順調な滑り出しを見せた。
「奪還」に向け好スタートを切った明大の神鳥裕介監督は「体づくりと基本プレーを徹底してやってきたので、そこの部分に関しては一定の成果はあった。部内マッチでメンバーを選考したが、そこで結果を出した選手を試合に出した。今年は頑張った選手が試合に出るという形にしていきたい」と話し、出場した1年生についても「為房も80分やり切ってタフでしたね。萩井も白井もしっかりプレーしてくれた。生きのいい選手が頑張って今後が楽しみですね」と評価した。
一方、敗れた池英基監督は「課題はたくさんあったけど、いいところもあった。土台になるフィジカルとフィットネスをやってきて、チームが目指すボールを動かしてアタックをするという部分は可能性が見えた。アタックもディフェンスもシステムはこれからなので、これからがスタートだと思っています」と話し、キャプテンのLOシンクル蓮も「自分たちがやってきたことを出せれば最初の20分は戦えた。あとは一つひとつのプレーの質を上げていきたい」と前を見据えた。
関東大学春季交流大会は6月23日までおこなわれる。