腕っぷし、足腰が強かった。
4月27日、東京・秩父宮ラグビー場。今季ここまで1敗で2位と好調な東芝ブレイブルーパスは、同じ府中市を本拠地とする東京サントリーサンゴリアスを36-27で破った。
国内リーグワンディビジョン1の第15節における屈指の好カード。疲れのたまった終盤こそ攻めにリズム、変化をつけたサンゴリアスから連続トライを奪われていたが、それまでに大差をつけていた。後半12分で31-10としていた。
ペースを握れたのは防御がよかったからだ。
タックラーが走者を捕まえては上腕で引き寄せたり、掴み上げたり、なぎ倒したり。その地点へはすぐに別な援護役が入り、向こうの得意な素早い球出しを未然に防いだ。
特にFLの佐々木剛、怪我からの復帰後初先発というNO8のリーチ マイケルが激しさと運動量で魅した。
ハイライトは前半28分頃だ。
17―3と先行もシンビンにより数的不利を強いられるなか、自陣で計29フェーズものアタックをしのいだ。時折、端側のスペースを破られても、折り返しのパスが飛んだところへ赤い壁をせり上げる。
最後は、サンゴリアスのアクシデンタルオフサイドを招いた。ブレイブルーパスのLO、ワーナー・ディアンズが振り返る。
「皆、よくタックルの後に起きて、もう1回タックルに行けるように動いていたと思います。(接点)サントリーは速いテンポでアタックしたいチームなので、それをコリジョン(1対1の衝突)でスローダウンするか、ブレイクダウン(ボール争奪局面)でファイトをかけるか…と(いうイメージで)試合に入って、うまくいったのかなと」
身長201センチ、体重117キロ。恵まれたサイズに加速力とスタミナを搭載し、シーズン終了後は日本代表としても活躍が期待される22歳だ。
件の重要局面でも身体を張ったうえ、21点リードで迎えた後半17分頃にも持ち味を活かした。自陣22メートル線付近左で、得意のチョークタックルを繰り出した。コンビを組むジェイコブ・ピアスとともにボール保持者を仕留め、自軍スクラムを獲得できた。
「チームのシステムでターンオーバーできるように、好きなチョークタックルをしようと」
反省も忘れない。
総じて自陣での落球、反則で相手にチャンスを与えていて、その傾向はここ数節、続いていたと指摘。目指すは、旧トップリーグ時代の2009年度以来となる日本一だ。すでに2シーズンぶりの進出を決めているプレーオフが始まるまでに、勝負の作法を再徹底したいという。
「毎試合、(自軍の失敗で)自分たちにプレッシャーをかけている。いいアタックをした後に、ミスをして攻められるという感じで。(次戦以降は)それをなくして、いいディフェンスでターンオーバーし、いいアタックをするという風にしたい」
5月の第1週にある最終節の結果にかかわらず、ブレイブルーパスはリーグ戦2位を確定させている。他会場の結果次第では3、4位に変動があるなか、3位のサンゴリアスとはプレーオフ準決勝で再戦するかもしれない。課題を解消し、リベンジを阻止できるか