開幕は今度の日曜日、4月28日。世界の高校生たちが躍動する日々は、すぐそこまで来ている。
『サニックス ワールドラグビーユース交流大会2024』が4月28日から5月5日まで、福岡・宗像市のグローバルアリーナで開催される。
男子は海外から8チーム、国内から8チームが参加。女子は海外、国内4チームずつの計8チームがピッチを駆ける。
日本の強豪校に加え、海外の実力校や伝統校が集う1週間は、連日好ゲームを楽しむことができる。
ニュージーランドからやって来るサウスランド ボーイズ ハイスクールは、オールブラックスを21人輩出し、そのうちの6人が主将を務めたという名門校だ。2023年の同国高校王者という実力を持つ。
イングランドのトルロカレッジも、何人もの国代表選手を生んできたチームだ。
オーストラリアのセント オーガスティンズ カレッジは、才能ある選手たちを多く擁し、フィジーのマハトマ ガンジー メモリアルスクールは独特のスタイルを見せてくれるだろう。
女子にも、魅力的な選手とチームが揃っている。
海外チームに挑む日本勢の中で注目されるのが、全国高校選抜大会で頂点に立った大阪桐蔭だ。
同大会では高い攻撃力と激しさを発揮し、決勝では石見智翠館を55-3と圧倒した。
チームを率いる綾部正史監督は選抜大会を含む春シーズンについて、「楽しみながらチャレンジしようと子どもたちに言っています」と話す。
ワールドユース交流大会にも、同じスタンスで臨む。
大阪桐蔭はトルロカレッジと同じプールAに入って戦う。世界にチャレンジする今大会は、大阪総体の最中におこなわれる。
そのスケジュールを考えれば、宗像の地では多くの選手にチャンスが与えられるかもしれない。そして、そこでのパフォーマンスが未来につながる可能性もある。
自分たちのスタイルを実践して、普段とは違う相手にどこまで通用するのか楽しみと綾部監督は言う。
フィジカリティーの強さを土台にして強豪の座を盤石にしてきたチームは、近年はボールをよく動かす。
「しっかりと状況に合ったアタッキングをしたい」とイメージを描く。
綾部監督は以前の経験を踏まえ、ワールドユース交流大会について「ラグビーをプレーするだけの場ではないと考えています」と言う。
「海外チームとの交流で得るものは、高校のステージだけでなく、大学、社会人と人生を歩んでいく中で、大切なひとコマとして残るものだと思います」
「子どもたちの顔つきは、大会の初日と最終日ではまったく違うんですよ。高校生の素直なところを持ちつつ、ひと皮むけて、大人になっていくような時間なのかな、と思います」
新緑の季節に、少年、少女たちが大人になっていく姿を見られるのは素敵だ。
勝った、負けただけでなく、選手たちの豊かな感受性にも触れられる大会を、爽やかな風を受けながら眺めよう。