プレーオフ進出を争う2位・東芝ブレイブルーパス東京と5位・コベルコ神戸スティーラーズの対決は、最後までもつれる死闘となり、40-40でノーサイドとなった。
ブレイブルーパスはこれで総勝点52(11勝1分1敗)となって4位以上が確定し、2シーズンぶりのプレーオフ進出が決定。
一方、19点差から巻き返し土壇場で追いつくも、勝利をつかめなかったスティーラーズは総勝点36(7勝1分5敗)となり、4位・横浜キヤノンイーグルス(総勝点43)との差は7ポイントに広がり、残り3試合でトップ4入りは厳しくなった。
4月14日、秩父宮ラグビー場でおこなわれた注目のリーグワン(ディビジョン1)第13節。
先に勢いをつけたのは東芝ブレイブルーパス東京だった。
前半3分、CTBロブ・トンプソンがタックルをかわして大きくゲインし、サポートのCTBニコラス・マクカランにつないで先制トライ。
7分にはLOワーナー・ディアンズが接点のファイトでボールを奪い返すと、すぐさまカウンターを仕掛け、WTBジョネ・ナイカブラが大きく蹴って自らチェイスに競り勝ち、連続トライとなった。欠場した世界的SOのリッチー・モウンガにかわって10番をつけた松永拓朗のコンバージョン成功も貴重な追加点となった
その後、FL佐々木剛がピンチの場面でジャッカルを決めるなど、ブレイブルーパスはがまん強い守りでも流れをよくし、19分、爆発的な走りを連発していたナイカブラが自陣から躍動し、サポートしたWTB森勇登が右外を大きくゲイン、内で追走していたFBマイケル・コリンズに長いパスを通し、3連続トライとなった。
一方、19点ビハインドとなったコベルコ神戸スティーラーズは24分、敵陣深くでのスクラムから展開してCTBラファエレ ティモシーが抜け、ようやく得点を刻むと、27分にもスクラムからのバックス展開でWTB山下楽平がチップキックも使って相手にプレッシャーをかけ、FB山中亮平がルーズボールを確保して攻め込み、冷静だったSH日和佐篤がNO8サウマキ アマナキの突破をアシストし、連続トライとなって5点差に詰めた。
しかし、35分、スティーラーズのWTB山下がハイボールに競り勝って自軍側にボールをはたいたが、手にしたのはブレイブルーパスの12番をつけたマクカランで、チャンスとなり、パスをもらったFBコリンズがゴールに持ち込み再び点差は広がった。
ブレイブルーパスはハーフタイム前も7点を加え、33-14で折り返しとなった。
再び19点差とされたスティーラーズは後半、敵陣深くに入りながら、相手LOディアンズに連続でラインアウトスチールされるなど、いやな流れが続いたが、再びアタックチャンスを得ると、がまん強く攻め、48分(後半8分)、CTB李承信からのキックパスを受けたWTB山下がインゴールに持ち込み、食らいついた。
その後もしぶといディフェンスを続けるブレイブルーパスに何度かトライを阻まれたスティーラーズだったが、66分、NO8サウマキの粘り強いボールキャリーで敵陣深くに入ると、リサイクルでFLアーディ・サベアからショートパスをもらったLOワイサケ・ララトゥブアが抜け、トライ。コンバージョンも決まり5点差に詰めた。
だが、リスタート後のキックオフでスティーラーズにエラーがあり、攻め込んだブレイブルーパスはWTB森のトライにつなげて、40-28なった。
それでも、スティーラーズは食らいつき、70分に7点を奪い返して再び5点差とした。
終盤、敵陣深くで猛攻を繰り返したスティーラーズ。耐えたブレイブルーパス。
試合終了間際、ブレイブルーパスにイエローカードが出て、数的有利となったスティーラーズはゴール前のスクラムからの攻撃にすべてをかけた。そして、何度も組み直し、ホーンが鳴ってしばらく経った86分、スティーラーズはスクラムからのバックス展開でWTB濱野隼大が左隅にトライを決め、同点となった。
しかし、タッチライン近くの厳しい角度からSOブリン・ガットランドが蹴ったコンバージョンキックは外れ、死闘は引き分けに終わった。