2023年の秋に開催されたワールドカップでオールブラックスを率いた。
チームはファイナルで惜しくも敗れたが、南アフリカとのその一戦(11-12)は、互いが力を出し切った好ゲームだった。
2020年から昨年のW杯までニュージーランド(NZ)代表をヘッドコーチ(以下、HC)として率いてきたイアン・フォスターが、トヨタヴェルブリッツの指導陣に加わるようだ。
4月9日、NZヘラルド紙など海外メディアが報じた。
フォスター元HCは、現在ヴェルブリッツでディレクター・オブ・ラグビー/総監督を務めるスティーブ・ハンセン氏と絆が深い。
ハンセン氏がオールブラックスのHCを務めた2012年から2019年の間、フォスター元HCがアシスタントコーチを務めた。
フォスター元HCは58歳。オールブラックスを4年に渡り指導した間、46テストマッチでチームの指揮を執った。
通算成績は32勝12敗2引き分けで勝率は69.57パーセント。常勝を求められる同代表としては、物足りないものだった。
特にW杯前年の2022年は本人も辛かった。
ホームに迎えたアイルランドとの3試合に1勝2敗。初めてNZの地でグリーンのジャージーに敗れ、シリーズにも負け越した。
続いておこなわれたザ・ラグビーチャンピオンシップでは初戦の南アフリカ戦に負け、クライストチャーチでアルゼンチンにも敗戦。国民を落胆させた。
同年10月には国立競技場で日本に31-38と迫られ、11月のヨーロッパ遠征のラストゲームではイングランドと25-25と引き分けた。
W杯王座奪還を切望する地元ファンからの声は厳しく、結果、NZ協会はW杯前の2024年3月、W杯後にはスコット・ロバートソン(当時クルセイダーズHC)が新指揮官に就くと発表した。
イバラの道を歩んだ末に臨むW杯だっただけに、期待は大きくなかった。
開幕戦でフランスに敗れ(13-27)不安はさらに大きくなったものの、ノックアウトステージに入り、準々決勝でアイルランドに28-24。死闘を制してファイナルまで勝ち進む結果を残してみせた。
NZヘラルド紙は、「(旧知の)ハンセン氏とのコーチングパートナーシップを再開させる見込み」と報じ、明確にはなっていないが、現在ヴェルブリッツを指揮するベン・ヘリングHCの後任ではないかとしている。
W杯前にはフォスター元HCが、大会後も(どこかで)コーチを続ける意向を口にしていたことも付け加えている。
また、W杯中はオールブラックスHCの責務だけにコミットすることを大事にしていたと紹介している。