現在、1月に負ったケガからのリハビリに取り組んでいる静岡ブルーレヴズの主将、クワッガ・スミス。日本でのプレーは6シーズン目を迎えている。
南アフリカのラグビー誌『SA RUGBY』が4月発売号に同選手の記事を掲載する。インタビューをおこなったサイモン・ボーチャード記者から、記事が届いた。
ブルーレヴズのこと、静岡での生活のこと、南アフリカ代表や将来についても語っている。
記事を2回に分けて掲載する。
◆静岡は第2の故郷。
Q:静岡ブルーレヴズでプレーしている際に、1月に鼠蹊部を痛め、手術が必要になりました。南アフリカでのリハビリはどうですか?
※編集部注/1月13日のサンゴリアス戦で長内転筋腱断裂。チームは全治約5か月と発表
A:順調に進んでいます。現在(3月末)はリハビリの途中です。おそらくもう1か月ほどは休む必要があるでしょう。
Q:日本でのクラブラグビーは6シーズン目です。静岡はもう、第2の故郷のような感じですか?
A:はい。間違いなくそう感じています。同じチームでプレーし続けることは素晴らしい。家族のような雰囲気で、まさに第2の故郷のようです。
Q:2018年に初めてプレーした時と比べ、日本ラグビーのレベルはどう変わりましたか。
A:2019年に日本がラグビーワールドカップ(以下、RWC)を開催して以来、国内リーグは大きく向上しました。そこでプレーするのが本当に楽しい。
ただ、皆さんが思っているほど簡単なリーグではありません。トップチームに所属している世界的な選手の数が競争を非常に厳しくしています。
RWC2019以降、日本のラグビーコミュニティも大きく成長しました。今シーズン(リーグワン2023-24)は、1試合に3万人以上のファンが集まった試合もあり、(ディビジョン1の)1万人以上の試合も複数ある。企業(クラブを所有する企業)も優れた外国人選手を獲得し、それが日本人選手の育成を促している。良い投資だと思います。
ボーデン・バレット、アーロン・スミス(ともにヴェルブリッツ)、アーディ・サべア、ブロディ・レタリック(ともにスティーラーズ)らオールブラックスの選手、スプリングボクスの選手たちと一緒にプレーし、対戦することで得るものは大きい。そして、日本人選手は学ぶのがはやい。
◆日本の人たちを尊敬しています。
Q:6シーズンで日本での試合出場は50を超えました。しかし、フランスのリーグでプレーしている選手と比較すると非常に負荷が軽いと思われます。その事実は、あなたにどう影響していますか。
A:静岡での出場試合は今季で50試合となりました(2018年のデビュー以来、1月13日のサンゴリアス戦で到達)。2020年シーズンはコロナ禍の影響でリーグが途中で打ち切られた。そのシーズンは3試合しかプレーしませんでした。また、現在はケガで欠場しています。
すべての試合に出場すると1シーズンに16〜18試合プレーできます。その数は世界の他の地域よりもはるかに少ないのは事実ですが、私は気に入っています。インターナショナルシーズンとうまく連動しているというか、国内シーズン終了後、2〜3週間のオフを取れる日程だからです。
Q:他国のクラブから魅力的なオファーも届くでしょう。金銭面は別として、日本にとどまる決断の理由はどういうものですか。
A:フランス、イングランドからの誘いのほか、南アフリカでプレーするオプションもありました。ただ私は自分のクラブ(ブルーレヴズ)と本当に良好な関係を築いています。
そして、ちょっとした金銭的メリットのために他のクラブに飛びつくタイプの人間ではありません。日本人は非常に尊敬されるべき人々だと思います。忠誠を誓えば、彼らは永遠に大切にしてくれます。
新しいコーチ陣のもとで、うまく成長している途中のチームです。(将来的に)エキサイティングな時期が待っていると感じています。
それに加え日本にとどまっている最大の理由は、前述のように、試合数と休養の時間が魅力的だからです。テストラグビーでプレーしていても、私は毎年2か月間、完全に休みを取れています。ヨーロッパでプレーしていると、そうはいきません。2週間程度しか休めません。
Q:クラブラグビーのキャリアは海外で終える予定ですか。それとも帰国する予定ですか。
A:次のRWC(2027年大会)までブルーレヴズと契約しています。その後、妻と一緒に帰国し、南アフリカでキャリアを終えたいと考えています。
その時には家族が増えているといいですね。どうなるか分かりませんが、そういう計画を立てています。