リーグワン昨季王者のクボタスピアーズ船橋・東京ベイは、プレーオフ進出が極めて厳しくなった。
4月7日に秩父宮ラグビー場で東芝ブレイブルーパス東京と対戦し、試合終了間際までリードしながら、20-22と逆転負けした。
スピアーズはこれで5勝7敗(総勝点27)となり、8位に転落。残り4試合で、プレーオフ進出圏内の4位とは勝点差が11ポイントに開いた。数字上ではまだ4強入りの可能性はあるが、崖っぷちから落とされ、這い上がるのはかなり難しい状況となった。
一方、2位のブレイブルーパスは11勝1敗(総勝点50)となり、次の試合に勝てばプレーオフ進出決定となる。
スピアーズはキャプテンのCTB立川理道がハードワークでチームを鼓舞した。
前半5分、ブレイブルーパスがCTBロブ・トンプソンのゲインで22メートルライン内に入り、FL徳永祥尭もブレイクしてオフロードパスをもらったFB松永拓朗がゴールに迫ったが、オレンジジャージーの12番をつけた立川が懸命に止め、ゴールラインを越えてもグラウンディングを許さなかった。
すると、スピアーズは16分、敵陣深くのブレイクダウンでボールを奪い返し、FLピーター“ラピース”・ラブスカフニ、HOデイン・コールズが果敢にタテを突いたあとボールを動かし、立川が右へ長いパスを放り、WTBハラトア・ヴァイレアが先制トライを決めた。
その後、両チームともペナルティゴールで得点し、迎えた28分、スピアーズは敵陣22メートルラインに迫ると、この日奮闘が光ったもうひとりの男、SH藤原忍がすばやくギャップに切り込み、オフロードパスをもらったSOバーナード・フォーリーが抜けてインゴールに持ち込んだ。
35分のピンチでは、NO8末永健雄がブレイクダウンでターンオーバーを決め、チームを救った。
しかし、プレーオフへ向けて必死なのはブレイブルーパスも同じで、37分、左外でパスをもらったFL伊藤鐘平がハンドオフでタックラーを払いのけてつなぎ、サポートしたWTB森勇登がタッチライン沿いを抜けてディフェンダーをかわし、トライを奪い返した。SOリッチー・モウンガのコンバージョンも決まり、3点差に詰めて折り返しとなった。
後半も先に得点したのはスピアーズで、44分(後半4分)、敵陣でいったんボールを失ったものの、相手が落球し、そこからFLラブスカフニが突進、さらに、ボールキャリーのSH藤原にサポートがついて塊のドライブでゴールに迫り、最後はフィジカル強いLOのJD・シカリングがFLトゥパ フィナウの後押しを得て3人のタックラーを破り、トライ。20-10となった。
その後、粘り強いディフェンスでリードを保ったスピアーズ。
だが、63分、ブレイブルーパスが敵陣深くに入り、FWを使ったあとボールを動かし、ディフェンダーをひきつけたSOモウンガから鋭いパスをもらったWTB森がトライを決め、5点差に詰めた。
反撃の勢いを増したブレイブルーパス。逃げきりたいスピアーズは何度もピンチを耐えた。
それでも、終了間際、怒涛の攻撃を繰り返したブレイブルーパスに対し、スピアーズはFLラブスカフニが不当なプレーを犯し、イエローカードを提示されてしまった。その直後、ブレイブルーパスはゴール前のスクラムで、7人になった相手FWパックを圧倒してペナルティを得、プレーはいったん途切れたが、ボールを手にしたCTBセタ・タマニバルがクイックタップで速攻を仕掛け、パワーで壁をぶち壊してインゴールに飛び込み、同点トライ。そして、ホーンが鳴り響くなか、モウンガがコンバージョンを決め、劇的な逆転ゲームとなった。