緊張感のにじむツーショットだ。
今年、9年ぶりに日本代表の指揮官に就任したエディー・ジョーンズが、4月5日、千葉県内にあるクボタスピアーズ船橋・東京ベイの練習を視察。チームを率いるフラン・ルディケと談笑した。
2人は、昨年に展開された日本代表の新ヘッドコーチの選考過程で最終審査まで競い合った。
全体のトレーニングを打ち上げると、ジョーンズは帯同のスタッフとともに辞去。ルディケはこう応じた。
「他のチームも訪問されているでしょう。どの選手を代表に…といった部分を視察されているのかと。細かい話はお伝えできませんが。また、ラグビー全般の話もしました。クラブがどう日本代表をサポートするのか、会社などのクラブを取り巻く環境について」
昨季リーグワン1部で初の日本一に輝いたスピアーズは、今季ここまで5勝6敗。12チーム中6位(第11節終了時)と、上位4傑によるプレーオフ行きへわずかな可能性を残す格好だ。
指揮官は「過去11試合を振り返ると、基礎がやり切れていなかったり、規律が乱れたりして接戦を落としていた。どう全体でベストになれるかの話をした。(序盤は防御が課題だったが)1対1のタックル、システムの修正はできている」と上向きになっているのを実感し、かつ、長らく欠場の司令塔をカムバックさせた。
4月7日、東京・秩父宮ラグビー場。東芝ブレイブルーパス東京との第12節では、オーストラリア代表76キャップのバーナード・フォーリーが先発する。途中交代した3節以来のプレーとなる。
これまで脳震盪からの復帰プログラムを課せられていた。実戦練習で汗を流す仲間の横でひたすら走り込む日々を経て、今度の機会を迎える。
「グラウンドに出たいというフラストレーションもたまりましたが、他の若い選手がチャンスをもらっていいパフォーマンスをしてきたのはエキサイティングなこと。チャンスをもらえる、チャンスを活かすこと。これもラグビーです」
向こうはニュージーランド代表56キャップのリッチー・モウンガをSOに据え、目下2位と好調。ワールドクラスの司令塔がどう球を回し合い、蹴り合うかが注目される。
「FWを土台に使い、テリトリー(陣地合戦)をオーガナイズする。多くないチャンスをものにしたいです」
フォーリーはひとしきり展望を語ると、日本語で「終わりです! ありがとうございます!」と締めた。