2つの課題を修正して勝利を得た。今季初めての8強入りだ。
4月5日(金)から始まった香港セブンズ(HSBCワールドラグビー・セブンズシリーズ2024 第6戦)の2日目。
初日は2敗に終わったサクラセブンズがプールCの最終戦(3試合目)でスペインに19-12と勝利し、カップ(最上位グループ)トーナメント進出を決めた。
同トーナメントには、AからCの各プール1位、2位チーム(6)と、3位チームの中の(勝ち点)上位チーム2チーム(2)が進む。
サクラセブンズは3位チームの中のトップとして、準々決勝ではプールBの1位、オーストラリアと戦う(4月6日、16時43分キックオフ/日本時間17時43分)。
前日はカナダに5-24、アメリカに12-17と敗れた。シーズンを通しての課題である入りの悪さが、また出た。
両試合とも先制を許し、途中、競る展開に持ち込んでも引き離された。
勝ち切る力を出せないでいた。
2日続けて第1試合に登場したサクラセブンズは、この日は9時30分のキックオフだった。
序盤からよく前に出て守り、敵陣に居続けた序盤。先制トライを奪った。
インゴール左中間に飛び込んだのは辻﨑由希乃。全員で攻め続け、平野優芽主将、堤ほの花が前進、オフロードパスをつないだ攻撃をフィニッシュさせた。
チームに勢いを生む一連の流れだった。
主導権を握ったサクラセブンズだったが、前半のラストシーンに逆転されて不穏な空気が流れた。
ハンドリングエラーから相手にボールを渡し、スクラムからトライを奪われたのだ。
ゴールキックも決まり、5-7とされてハーフタイムを迎えた。
後半の立ち上がりも悪かった。
キックオフレシーブ後にターンオーバーされ、トライを奪われる。5-12と引き離されたのだ。
その後も防御は粘り強いままだったが、なかなか得点できず、差を詰められなかった。
同点に追いついたのは、残り3分になった頃だった。
コミュニケーションを取りながら攻撃を重ね、最後は平野主将がゴールポスト下に入る。ゴールキックも決まり、12-12と追いついた。
勝負が決まったのは、後半の試合時間が7分を経過したことを告げるホーンが鳴ったあとだった。
相手のスクラムからの攻めを止めてターンオーバー。攻撃に転じて継続し、最後は右サイドを原わか花が駆け抜けて決勝トライを奪った。
ゴールキックも決まり、19-12のスコアを刻んだ。
先制トライを奪い、課題だった立ち上がりの時間帯を制した辻﨑は、「ウォーミングアップの時から、『受けることなく、最初から集中しよう』とキャプテンが言ったことを、みんなで実行できた」と振り返った。
先発での出場機会は多くない。「少し緊張していましたが、後半は(中村)知春さんが出て、やってくれるので、最初から100パーセントを出そうと思い、プレーしました」という。
好ゲームを勝ち切って、「14分間全員で我慢できた。ディフェンスで粘れたことが勝因だと思います。ベスト8で満足せず、もっと上まで行き、オリンピックに向けていい流れを作りたい」と笑顔を見せた。