小さな体躯で大きな相手を倒すとファンが沸く。
セブンズでも、15人制でも、ラグビーの醍醐味のひとつでもある。
そんなシーンは何度かあったけれど、勝利には届かなかった。
4月5日(金)から始まった香港セブンズ(HSBCワールドラグビー・セブンズシリーズ2024 第6戦)。その初日、サクラセブンズはカナダ、アメリカと戦い(プールC)、それぞれ、5-24、12-17と敗れた。
大会の開幕戦となったカナダ戦。サクラセブンズは、キックオフ直後の時間帯に粘り強いディフェンスを見せた。
しかし、3分にチャリティー・ウィリアムズに先制トライを許す。
5分には大谷芽生がチャンスを作るもボールを取り返され、ふたたびウィリアムズに走られた。スコアは0-12となった。
前半終了間際に梶木真凜が快走してゴール前に迫るも、得点に結びつけられなかったサクラセブンズは、後半開始直後に攻め続け、最後は三枝千晃がインゴールに入った。5-12とした。
しかし、終わってみれば差を広げられていた(5-24)。
アメリカ戦は、その敗戦から約3時間後のキックオフだった。
この試合でもサクラセブンズは先制を許した。スクラムから左に攻めたアメリカは、アレブ・ケルターが強烈なハンドオフでディフェンダーを弾き、インゴールまで走り切った。
サクラのエンブレムを胸につけた小柄な集団は、ボールをよく動かして反撃に出た。
前半終了間際だった。左右に攻めて相手を走らせる。最後は、原わか花が左隅に飛び込んで5-5。ハーフタイムを迎えた。
しかし、大事な時間帯である後半の入りで相手に先手を許してしまった。好機にミスが出たのも痛かった。
2分過ぎにアウトサイドを攻略されて勝ち越しトライを許すと、3分30秒過ぎにはスクラムサイドのスペースを走られ、さらに追加点を奪われた。
5-17とされて迎えた最終局面に梶木がインゴールに入るも、勝敗は変わらなかった。
12-17と敗戦。2日目の初戦、スペインとの戦いには全員が必勝の意志を持って挑む。
初日の2試合を終えて原は、「1試合目も2試合目も、先手を取られたのは、これまで抱えてきた課題と同じ。この大会の中で修正していかないといけない」と振り返った。
ポジティブな面もあった。2試合目のディフェンスには手応えがあった。「1人ひとりがよく喋り、コネクトできていたから止めることができた」という。
「個々の仕掛けも良かったと思います。ただ、半ズレができた後のパスの精度と、キャッチの精度を高めないと。そして、オフロードでつなぐか、ラックにするかの判断をもっと高くできれば、攻撃をさらに継続できる。そうなると勝てるチャンスも増えると思います」
2日目以降、課題を修正し、武器をさらに磨きたい。
パリ五輪まで3か月半。大舞台で躍動するための地力と自信をどんどん積み上げたい。