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7試合ぶりに復活、即活躍の竹山晃暉(埼玉パナソニックワイルドナイツ)が立ちたい舞台

2024.04.01

175センチ、84キロの27歳。父は大相撲出身。(撮影/松本かおり)



 約2か月半のブランクを経ての、久々の実戦で結果を残した。
 長い時間をかけて積み上げてきたものが確かで、実戦から離れている間の過ごし方が良かったのだろう。

 埼玉パナソニックワイルドナイツの竹山晃暉が、3月22日(金)におこなわれたクボタスピアーズ船橋・東京ベイ戦(第11節)で好パフォーマンスを見せた。
 55-22と快勝したその一戦でトライを挙げ、好キックでチャンスを作った。

 背番号11がインゴールに入ったのは前半20分だった。スコアは7-3。リードを広げた。
 敵陣右サイドのラインアウトからの攻撃だった。ピッチ中央エリアで重ねたアタックを仕上げる。クイックパスを受けて走り、インゴール左スミに飛び込んだ。

 50/22メートルキックを2度決めて、チームを大きく前に出すシーンもあった。

 1本目は前半10分過ぎ。自陣10メートルラインの手前から蹴って左サイドに出した。
 前半36分に2本目を蹴った。左ラインアウトからの攻撃に加わり、オープンキック。右サイドに出て、チームは敵陣深いエリアでラインアウトを得た。
 直後のCTBディラン・ライリーのトライを呼ぶ好キックだった。

 全試合出場を目標に掲げてシーズンに入った。
 開幕戦から4試合続けて先発。上々のスタートを切る。しかし第4節(1月6日)、トヨタヴェルブリッツとの試合中に右腿肉離れを受傷。戦列を離れた。

 その間もチームは快調に白星を重ねた。自分が立っていたバックスリーのポジションはライバルたちがカバーし、結果を残す。
 高いチーム力、分厚い選手層は頼もしいけれど、穏やかではない胸中は想像に難くない。

 2月18日の東京サントリーサンゴリアスとの練習試合で実戦に復帰し、第8節(3月2日)の静岡ブルーレヴズ戦のメンバーに名前を連ねるはずだった。
 しかし、そのタイミングでコンディションを崩す。結局、復帰は第11節までズレ込んだ。

 復帰戦となったスピアーズとの戦いは、昨季ファイナルで敗れた相手との再戦とあって緊張感が漂っていた。
 試合前のミーティングでも、「去年の結果を思い出し、自分たちが何をすべきか考えてプレーしよう」との声が聞こえたという。

 重要な一戦でピッチに戻った竹山は、快勝の試合内容にもかかわらず、自身のパフォーマンスについては「他の選手のレベルと比べ、ワークレートなど、自分が足りていないと感じました」と話した。

 例えばキックチェイスの局面。再獲得率が納得できない、とした。
「こちらが5回蹴ったとします。ボールを手放すのですから、その時点で(互いに獲得できるかは)五分五分。やはり3回はマイボールにしたい……と考えてしまうところがダメなんです。すべてをキャッチするつもりでいかないと」

 50/22キックについては同ルールが導入されて以降、練習時から備えてきたという。
 その上で、ボールを手にした時にラン、パス、キックの選択肢を持って動き、判断。この日はスペースを見つけて蹴った。

 価値の高いプレーヤーを目指している。
 走って自分でトライを奪うだけでなく、チャンスメイクの役目も遂行したこの日のようなプレーを、一貫して続けたい。

 アイツがいないと、と思われる選手になりたい。
 入団5季目。積み上げてきた力を出し、シーズン大詰めの大事な時期にチームを引っ張りたい。
 昨季ファイナルはベンチ入りしながらピッチに立つことはできなかった。「(今季こそ)シーズン最後の試合でワイルドナイツを代表してプレーしたい」と誓う。

 戦列から離れている間、ナイツ(試合メンバー外)の一員として対戦相手役を務め、ワイルド(試合メンバー)を送り出してチームに貢献した。その経験が自身を成長させることにもつながったと感じている。

 他競技のアスリートから刺激をもらう時間も有益だった。
 タイガー・ウッズ(ゴルフ)の半生を追ったドキュメンタリーを見た。大谷翔平(MLB)からも学びを得た。自分も、まだまだ成長できる。

 強くなって戻ってきた男は残りのシーズンを充実させ、王座奪還の瞬間、ピッチに立っていることを誓う。

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