ジャパンラグビー リーグワンは3月30日、ディビジョン2のレギュラーシーズン最終節2試合がおこなわれ、浦安D-Rocksが8勝1敗で並んでいたNECグリーンロケッツ東葛を31-28で下し、首位通過で順位決定戦に進むこととなった。
D-Rocksとグリーンロケッツは、豊田自動織機シャトルズ愛知を含めたトップ3の順位決定戦(4月20日~5月6日)で優勝を争うことになる。最終順位は昇格へ向けて入替戦の相手も関係してくるため重要だ。D-Rocksは2試合をホームで戦えるアドバンテージを得た。
リーグ戦最終節は宮城県のユアテックスタジアム仙台で激突。
D-Rocksは前半4分、負傷から復活して今季初出場となった元オーストラリア最優秀選手のFBイズラエル・フォラウが、ハイパントのこぼれ球を手にしてゴールへ走りきり先制した。
対するグリーンロケッツは、ペナルティゴール(PG)で得点後、15分にはパス回しからWTB尾又寛汰が抜け、右外でボールをもらったHOアッシュ・ディクソンがタッチライン沿いを力走してハンドオフでトライを決め、逆転した。グリーンロケッツはアグレッシブで、19分にはクイックスローから勢いづき、敵陣深くでプレッシャーをかけてターンオーバーすると、すばやく展開してキャプテンのFBレメキ ロマノ ラヴァがフィニッシャーとなった。
しかし、D-Rocksは27分にラインアウトからモールで押し込んでトライを奪い返し、3点差となって迎えた39分には、自陣でのスクラムからの展開でフォラウが抜けて大きくゲインし、サポートしたCTBシェーン・ゲイツにつないで逆転トライが決まり、22-18で折り返しとなった。
後半の序盤に両チームともPGでスコアを動かしたあと、4点ビハインドのグリーンロケッツは55分(後半15分)、敵陣深くでの連続攻撃から背番号10の金井大雪がキックし、インゴールに転がったボールをWTB児玉健太郎が押さえ、再びゲームをひっくり返した。SOティアン・スワネポールのコンバージョンも決まり、3点リードとなった。
しかし、勝点差で上回り、引き分けでもトップ通過となるD-Rocksは67分にPGで同点とする。75分にはブレイクダウンで圧力をかけて相手の反則を引き出し、SO田村煕がショットを連続で決め、勝ち越しに成功した。
粘るグリーンロケッツは試合終了間際、敵陣深くに入って逆転を狙いにいったが、D-Rocksの23番をつけたラリー・スルンガが好ディフェンスからボールを奪い返してピンチをしのぎ、逃げきった。
同日、豊田自動織機シャトルズ愛知は地元のパロマ瑞穂ラグビー場で日本製鉄釜石シーウェイブスと対戦し、48-36で勝った。
シャトルズ愛知は開始早々、テンポのいい連続攻撃をPR山口知貴がフィニッシュし先制。
一方、今季2勝目を目指した釜石シーウェイブスも奮闘し、13分、ピンチの場面でキャプテンのNO8サム・ヘンウッドが強烈なタックルを決め、すぐにボールに絡んで奪い返すと、カウンターで次々とつないでSO落和史がゴールへ走りきった。
しかし、シャトルズ愛知は3分後、ラインアウトからモールで押し込み追加点を挙げ、29分には相手のパスが乱れたところ、こぼれ球を拾ったCTB市川敬太がゴールへ独走。その後、釜石シーウェイブスにペナルティゴールを許したものの、リスタートのキックオフボールをWTB齊藤大朗が確保して敵陣深くに入ると、連続攻撃を12番の市川がフィニッシュし、リードを広げた。市川は後半早々にもトライゲッターとなり、ハットトリック達成。
後半、釜石シーウェイブスに反撃されて4トライを許すなど課題も出たシャトルズ愛知だが、勝って締めくくり、3週間後に始まる順位決定戦に挑む。
ディビジョン2の順位決定戦で最下位(6位)となったチームは残留・降格がかかる入替戦に進むため、下位3チームの総当たり戦を控える釜石シーウェイブスも、リーグ戦の反省と収穫をシーズン最後の決戦へつなげたい。