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大阪桐蔭、タイトな激闘制し3大会ぶり4強へ。東海大相模も実力示す【全国高校選抜大会】

2024.03.26

激しいブレイクダウンでの攻防になった大阪桐蔭×東海大相模(撮影/松本かおり)

 この日もっとも雨足が強まる中で行われた準々決勝第4試合。近畿大会を快勝し優勝候補の一角と目される大阪桐蔭が、今大会屈指の大型FWを擁する東海大相模とのロースコアの戦いに13-3で勝利し、3大会ぶりのベスト4進出を決めた。

 前半ペースを握ったのは東海大相模。ボールを動かすのが難しいコンディションをふまえ、キックとディフェンスを軸にした雨天用のゲームメイクで立ち上がりから優勢にゲームを展開する。開始8分のSO長濱堅のPGで先制すると、以降もディフェンスで懸命に体を張り続け、3-0でハーフタイムを迎えた。

 しかし後半に入ると大阪桐蔭も戦い方を修正し、SO上田倭楓が精度の高いキックでエリアを進め徐々に勢いを盛り返す。そして5分、ラインアウト起点のBK展開でゴールラインに迫り、最後は上田のカットパスを受けたWTB山添仁琴が左隅にトライ。5-3とリードしたことで落ち着きを取り戻すと、12分にも上田が約40メートルのPGを決め、7点差にスコアを広げる。

 その後もトライこそ奪えなかったものの相手に決定的な場面を作らせず、29分にPGを追加してノーサイドとなった。

 雨で持ち味のBKの展開力を発揮できず、苦しい戦いを強いられた大阪桐蔭だったが、思うようにいかない流れを立て直し、きっちり勝ちきったのは、地力の証だろう。「雨なのでこういう展開は想定内でしたし、落ち着いてやろうと声掛けをしていました。後半はもっと丁寧にということを意識して、いい入りができた」とはキャプテンのCTB名取凛之輔。

 勝利には届かなかったものの、東海大相模も堂々たる戦いぶりで西の横綱と好勝負を演じ、確かな実力を示した。「雨は自分たちに味方してくれたと思いますが、ちょっとしたゲームのアヤの部分をものにできなかった。でも大阪桐蔭と試合をできて、ここまで体を張れて自信になったと思う」。三木雄介監督は清々しい表情で選手たちの健闘を称えた。

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