イタリアへ遠征した2023年度高校日本代表は3月24日、ツアー最終戦として、カルヴィザーノでU19イタリア代表と対戦し、36-27で勝って締めくくった。
4日前の第1戦で同チームに惜敗していた高校日本代表は、リベンジに燃えて立ち上がりから果敢に挑み、前半4分、敵陣深くに入ってラインアウトからモールでゴールに迫り、崩されたものの、キャプテンのNO8城央祐(桐蔭学園)がボールを手にしてパワーでインゴールに押さえ、先制トライを決めた。SH井上達木(佐賀工業)のコンバージョンも貴重な追加点となった。
そして、12分のピンチをしのぐと、15分には出足の速いディフェンスでプレッシャーをかけてボールを奪い返し、FB服部亮太(佐賀工業)のトライにつながった。
ヤングジャパンはアグレッシブで勢いがあり、22分にも敵陣深くに入り、ラックからすばやく左へ展開してFL高比良恭介(東福岡)がインゴールに持ち込み、リードを広げた。
その後も相手にプレッシャーをかけ続け、27分には果敢に走ったWTB森尾大悟(茗溪学園)に対して相手がハイタックルをしてしまい、ペナルティで敵陣深くへ。ラインアウトを起点に攻めてゴールに迫り、NO8城がピック&ゴーでインゴールに突っ込み、トライが認められた。
一方、意地を見せたいU19イタリア代表は、前半ラストと後半の序盤にトライを奪い返し、点差を詰めたが、高校日本代表は後半14分、相手に反則があって敵陣深くに入ると、モールでゴールに迫り、FWの奮闘後、ボールをワイドに動かしてWTB森尾がトライ。SH井上のコンバージョンも決まり、31-12と突き放した。
終盤、猛攻のU19イタリア代表に3連続トライを許し、4点差に詰められたものの、試合終了間際、高校日本代表はカウンターラックでボールを奪い返し、すばやくつないでWTB森尾がゴールへ走りきり、勝利を決めた。
高橋智也監督は、前半最初から試合を支配した要因として、「全選手がディフェンス局面において、イタリアチームの考える時間を奪ったことがあげられます。まさに1年間取り組んできた成果と思います。彼らの成長をひしひしと感じた70分間でした」と評価。『Beat Italy』 を達成し、「次はU20、そしてフル代表を担う人材になるべく、更なる努力をしてくれることを祈念しています」と語った。
そして、自ら2トライを挙げるなど力強くチームをけん引したキャプテンの城は、「キックでエリアを取って、FWがトライを取りきるという、自分たちのゲームプランがしっかりと遂行できました。持ち味の前に出るディフェンスも十分に発揮できたと思います。後半は苦しい時間帯が続きましたが、自分たちのこれまでの頑張りを信じて最後まで粘り、勝ちきることができました」とこの日の試合を振り返る。遠征全体については、「選手・スタッフが家族のようになり、チームが一つになることができたと思います。それが、最後の勝利につながったと思います」とコメントした。