昨季リーグワンのプレーオフ決勝で優勝を争ったクボタスピアーズ船橋・東京ベイと埼玉パナソニックワイルドナイツが3月22日、2023-24シーズンの第11節で激突し、今季開幕から全勝のワイルドナイツが55-22で前王者を下し、リベンジを果たした。
一方、前節終了時に6位だったスピアーズはこれで5勝6敗となり、残り5節で、上位4チームが進めるプレーオフへの切符争いは厳しい状況となった。
金曜の夜、東京・秩父宮ラグビー場でおこなわれたこの試合。
生き残るためには残り試合をすべて勝ちたいスピアーズが、開始早々にペナルティゴールで先制した。
しかし、ワイルドナイツは14分、世界一の南アフリカ代表CTBでもあるダミアン・デアレンデが敵陣10メートルライン手前からブレイクしてそのままゴールへ走りきり、逆転。20分には、22メートルライン内でのすばやいパス回しからWTB竹山晃暉が左外を駆け上がってコーナーにフィニッシュした。さらに、29分にも敵陣深くに入ると、モールから持ち出したSH小山大輝が近場の間隙を突いてトライゲッターとなり、リードを広げた。ワイルドナイツの優勢は続き、38分にはSO松田力也がディフェンス裏へ蹴ったショートパントをCTBディラン・ライリーがダイレクトキャッチしてゴールへ持ち込み、26-3で折り返しとなった。
快調のワイルドナイツは後半の入りもよく、43分(後半3分)、ハイパントで相手にプレッシャーをかけてこぼれ球を確保すると、FB山沢拓也が軽快な走りでゴールへ駆け抜け、追加点。59分には自陣でのラインアウトからの展開でFLラクラン・ボーシェーが抜けて大きくゲインし、サポートのライリーにつないで大差をつけた。終盤には山沢兄弟の連係で、弟・京平、兄・拓也がともにトライを追加し、50点超えとなった。
一方のスピアーズは、後半途中からの出場でデビューとなった明治大出身の新人PR為房慶次朗が力走でチームを活気づかせ、64分に敵陣深くに入ると、ドライビングモールでアドバンテージを得たあとボールを動かし、SO岸岡智樹のキックパスからWTB山崎洋之がチーム最初のトライを決めた。70分にはモールで押しきり、2023年度帝京大主将のルーキーHO江良颯がデビューから3試合連続でトライゲッターとなった。試合終了間際にもNO8アシペリ・モアラのトライで意地を見せたスピアーズだったが、内容的には完敗だった。