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2025年からは日本代表? ハリー・ホッキングスはサンゴリアスに「全神経」を注ぐ。

2024.03.16

ボールキャリアーとしても大きな仕事をするハリー・ホッキングス (C)JRLO


 大きく、きれがあり、謙虚だ。

 東京サントリーサンゴリアスのハリー・ホッキングスは、206センチと長身にして機動力を有する。突進、サポート、タックル、接点へのボディブローで相手にぶつかる際は、膝と腰を落として鋭くクラッシュする。

 なぜ、大柄なのに機敏に動けるのか。そう聞かれればこの調子だ。

「試合中も動けていると言っていただけるのなら、S&C(ストレングス&コンディショニング)のスタッフの皆さんがよくサポートしてくださっている証拠です」

 オーストラリアはブリスベン出身。スポーツ大国で生まれ育ったとあり、テニス、水泳、バレーボールにも親しんだが、「ずっとメインの競技はラグビーでした。ここには全くの後悔はありません」。2018年には国際リーグのスーパーラグビーで戦うレッズと契約し、20歳以下の国代表に選ばれた。ワールドカップ優勝経験国で、期待の若手と遇された。

 13歳上の兄であるトムはプロラグビーマンの先輩で、ポジションも同じLOだ。2012年からの2シーズンは、日本の現・花園近鉄ライナーズでプレーしていた。列島に好印象を抱いたようだ。

 弟は兄を慕っていたため、サンゴリアスからオファーを受ければすんなり2020年の来日を選んだ。

 いまではクラブの副将として、日本人と海外出身者のパイプ役を担う。

「ここまで日本に来て4年間、全ての過程が楽しいことばかりでした。一番の学びは、新しいことがあればやってみることです。違う文化での経験が、自分の糧になっている」

 2025年からは、日本代表となるチャンスが訪れそう。ルーツを持たない地でも5年以上の継続居住が認められれば、当該国での代表資格が得られるためだ。通称「ホッコ」はこうだ。

「チャンスに恵まれれば非常にエキサイティングなことで、大きな名誉であります。もしそのタイミングが来て、そのようなチャンスに恵まれたら、自分のスタンダードが認められたことになるので嬉しい。ただ現時点ではサントリーに全神経を注ぎ、自分のパフォーマンスを高めたいです」

 昨年12月開幕のリーグワン1部にあって、ここまで9節を消化し7勝2敗。12チーム中3位につける。入部以来、果たしていない優勝を目指し、「これまでいい試合をしている時とそれほど良くない試合がある。一貫性(を求める)」。特に、防御の整備を急ぐ。

 3月16日の第10節では敵地の豊田スタジアムへ赴き、トヨタヴェルブリッツとぶつかる。

 アーロン・スミス、ボーデン・バレットという、それぞれニュージーランド代表で3桁台のキャップ(代表戦出場数)を獲得した司令塔団を「シャットアウトしたい」とのこと。名手を阻む壁となりたい。

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