3月9日(土)、スーパーラグビー・パシフィックのフィジアン・ドゥルアの今季初のホームゲームがラウトカでおこなわれ、ファンの大声援に応えたドゥルアが、20−10で昨季に続いて地元でクルセイダーズを破った。
前節はメルボルンでのスーパーラウンドでアイランダーチームのライバル、モアナ・パシフィカに悔しい負けを喫し、開幕2連敗となったドゥルア。相手のクルセイダーズも2連敗中で、お互いに今季初勝利をかけた戦いに会場は序盤から大いに盛り上がった。
試合はクルセイダーズがWTBセヴ・リースのトライとPGで10点を先行したが、南国の強い日差しこそなかったもののスチームサウナのようなコンディションが影響してか、両チームともハンドリングエラーが目立った。
ドゥルアは今季デビューの弱冠20歳、SOアイザイア・アームストロング=ラトゥヴァが24分にPGを決めると、前半終盤にWTBセレスティノ・ラヴタウマンダがトライをマークし(コンバージョン成功)、前半を10−10の同点で終える。
前半だけでかなりの消耗をしたとみられるクルセイダーズをよそに、後半の流れもドゥルアが握った。5分にSHフランク・ロマニがゴール前で隙をついてトライを挙げ、17−10と逆転。その後は終了間際の勝利を決定づけるアームストロング=ラトゥヴァのPGまでスコアは動かなかったが、FW、BKの華麗なパス回しを披露するなど、終始ドゥルアが勢いに乗って主導権を握った。
ドゥルアのNO8メリ・デレラナランギ主将は試合後のインタビューで、「今日はいつも応援してくれるファンの勝利」と満場のサポーターに感謝した。
クルセイダーズは後半11分に一気に5人を入れ替えるも、キックミスを繰り返すなど2連覇中の王者らしからぬ戦いで開幕3連敗。スーパーラグビーが始まった1996年以来、最悪のシーズンスタートとなった(最終順位は12チーム中最下位)。
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前日8日の金曜日には、セブンズ王国フィジーをビッグニュースが駆け巡った。オリンピック3連覇を狙う男子セブンズ代表のベン・ゴリングス ヘッドコーチが解任され、リオ五輪時の主将のオセア・コリニサウの就任が発表された。コリニサウは2022年に女子中国代表での指導歴がある。
ゴリングスは2022年のワールドカップセブンズ(南ア・ケープタウン)でフィジーを優勝に導き、今季のワールドシリーズも現時点総合で3位につけているが、シリーズ19大会で優勝なしの戦績ではフィジー国民を納得させるに至らず、パリ五輪まで5か月を切ったところで大きな決断が下った。
また15人制代表の新ヘッドコーチ選出も難航している。7月にアメリカ・サンディエゴでのオールブラックス戦、パシフィックネーションズカップ(9月のプレーオフで来日予定)を控えるフィジー代表。フィジアン・ドゥルアのミック・バーンHCを推す意見もあるというが、ワールドラグビーの介入があり、正式決定には至っていない。