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土佐誠が2度目のヴァーシティーマッチ出場へ。今回はケンブリッジ大の8番背負う

2024.02.28

発表されたケンブリッジ大のメンバー。ヴァーシティーマッチの『Instagram』より



 土佐誠(昨季終了後、三菱重工相模原ダイナボアーズを引退)が8番を背負って2度目のヴァーシティーマッチへ出場する。

 ヴァーシティーマッチとは、1872年に始まったオックスフォード大とケンブリッジ大が戦う伝統の対抗戦。両校の対戦は今年で142回目になる。

 3月2日(土)、12時から始まる女子の試合に続き、15時にキックオフ。サラセンズのホームグラウンド、『StoneX stadium』が戦いの舞台だ。

 2月25日に大会のインスタグラムで両軍のメンバーが告知された。
 土佐はエグゼクティブMBA(経営学修士)取得を目指してケンブリッジ大学ジャッジビジネススクールに学びながら、同大学のラグビー部に所属している。

 2009年に関東学院大学を卒業した際にはオックスフォード大学へ留学し、同年のヴァーシティーマッチでプレーした。
 2度目の大舞台には、当時対戦したライバル校のジャージーを着て出場する。

 キャプテンが各選手の所属カレッジをまわり、出場メンバーに選ばれたことを知らせるのが伝統だ。
 ブレザーを着たリーダーが自転車を漕いで選手たちのもとを訪ね、名誉を伝える。

 今回も同様のスタイルがとられた。しかし、時代の流れとともに変化はある。
 キャプテンのHOベン・ゴンペルスは研修医を務めていて多忙だ。所属する選手たちは事前に2月23日の予定を提出した。

 それを見た主将が、セレクション結果を自転車で伝えてまわる予定を組んだ。
 土佐は自宅で待機して吉報を待つことにしていた。しかし、主将の予定が大きく遅れたため電話で結果をもらうことにした。
「ジムでのトレーニングが入っていたので、そこで連絡を受けました」

 その内容は日本語にすると、「あなたはヴァーシティーマッチを戦うメンバーに選ばれました。先発、8番で僕と一緒に戦ってほしい。おめでとう」という内容だった。

 試合に向けての日々の途中には、様々な伝統的な儀式がおこなわれる。
 初ブルー(クラブを代表して戦う名誉を受けた選手に与えられる称号)の選手たちが集められ、OBたちと食事、激励を受けるカジュアルな日もあれば、フォーマルな時間を設ける日もある。

 長く継承されている有形無形のものが、伝統に重みを持たせる。
 選手たちの気持ちも日ごとに高まり、土曜日の決戦は情熱的な80分となる。

 オックスフォード大で初めてヴァーシティーマッチを経験したとき23歳だった土佐も37歳になった。
 名誉ある立場に選ばれたことへの感じ方も前回とは違う。

「あのときは試合に出ることが目標でしたが(途中出場)、今回は勝ちたい」
 伝統の一戦に向けて重ねてきた試合にも常時出場し、つかんだ8番のジャージーだ。
 チームを牽引する働きを見せる。

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