試合は大差がついたけれど、秩父宮ラグビー場に訪れた1万3278人は、久しぶりに日本で見られた"スーパーラグビー"に心を躍らせただろう。
リーグワンの昨季上位4チームと、スーパーラグビーの2チームが対戦する「クロスボーダーラグビー」が2月3日から始まり、ブルーズが東京サンゴリアスを43-7で破った。
ブルーズは立ち上がりから前に出続けた。先制トライは前半4分。相手の反則から敵陣22㍍内でのラインアウトを獲得、ゴール前で10フェイズを重ね、最後はLOサム・ダリーがポール下に飛び込んだ。
攻撃の手を緩めないブルーズは、その後も9分、15分と連続トライを挙げる。
9分は自陣からWTBケイレブ・タンギタウらの突破を起点に、最後はラインアウトからHOカート・エクランドが抜け出しトライ。直後のキックオフからも再び自陣でチャンスを作り、SOスティーブン・ペロフェタ、CTBコーリー・エヴァンズと立ったままボールを繋いで一気に敵陣深くまで運んだ。最後は22㍍内のスクラムからブラインドサイドを攻めてWTBタンギタウが右隅へ。19-0とリードを広げた。
その後もジャッカルを浴びるなど防戦一方だったサンゴリアスだが、徐々にコンタクトエリアでスーパーラグビーの強度にフィットしていく。
最初に闘志を見せたのは、今季途中加入でこの日が初出場初先発のアルゼンチン代表、SOニコラス・サンチェスだ。
強烈なタックルの直後にはLOシオネ・ラベマイとジャッカル。ピンチを防ぐと、自陣から我慢強く攻めて相手の反則を引き出し、30分には初めてスコアボードを動かす。
敵陣22㍍内ラインアウトからWTB江見翔太が右斜めに走り、FB松島幸太朗と繋いで中央に走り切った。
前半を7-19と後半巻き返せる点差で折り返したが、このトライがサンゴリアス唯一のスコアとなった。
迎えた後半、またも序盤で失トライを重ねた。スクラムでも圧倒したブルーズは3分、中盤エリアで右サイドを駆けたFLのアントン・セグナーが中央へ折り返すゴロパントを披露、変わって入ったSHタウファ・フナキがこれを捕球し、そのまま走り切った。
追加トライはその3分後。ショートサイドを攻め、WTBタンギタウが快速をまたも見せ、一気に敵陣22㍍へ、フェーズを重ねてタンギタウがスコアラーになった。
その後はサンゴリアスもSO高本幹也を中心に、スペースへ大きくボールを動かし何度も敵陣深くに入ったが、ゴール前でのアタックで仕留めきれず。ミスボールへの反応でも上回れ、さらに2トライを追加された。
トライ数1本-7本と完敗で、初のクロスボーダーラグビーを終えた。
ブルーズは2月10日、ニッパツ三ツ沢球技場で昨季3位の横浜キヤノンイーグルスと戦う。次戦には、W杯メンバーであるWTBケイレブ・クラークが出場を予定している。