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【池田韻レフリー フィジー留学リポート/vol.1】郷に入れば郷に従えの精神で、楽しみ、学び始めました。

2024.01.26

レフリー仲間と。左から3人目が池田韻レフリー



 タフな24歳は、南の島の生活を楽しんでいる。
 水道水を飲む。現地伝統の飲み物、カヴァの儀式にも付き合う。

 だから愛される。
 みんな、名前をうまく発音できないけれど。

 レフリーの池田韻(ひびき)さんは、いまフィジーにいる。
 1月9日に日本を発ち、4月2日まで。人生で、こんなに長く海外で暮らすのは初めてだ。

 はびき。ひびか。ひびこ。
 発音が難しいようで、なかなか正確にはいかない。しかし、「それぞれ好きなように呼んでもらっています」と大らかに構える。

 日本ラグビー協会のアカデミー事業、海外研修の制度によるレフリー留学だ。
 インド系フィジアンのホストファミリーのもとで、ラウトカの街に暮らす。

 午前中は語学学校に学んでいる。午後は社業(株式会社 識学)に取り組み、トレーニングも。
 1月18日からの3日間は、U18男子セブンズ・デベロップメント・スコッドも参加したコーラルコーストセブンズで笛を吹いた。

 同大会では5試合でレフリーを務め、女子のセミファイナル、ユースのクォーターファイナルなどで笛を吹いた。
 滞在中に、あと4大会には参加できる予定だ。

 セブンズ王国だ。スピードやテクニックのレベルは高い。
 その体感は、レフリングスキルと現象の見極めの向上に直結するだろう。

 それに加え今回のフィジー滞在における最大の目的は、英語によるコミュニケーション能力の上達だ。

 世界を舞台に生きていきたい。
 これまでも海外での国際試合を担当してきた。その準備、経験もあるから、特にセブンズの試合中のプレーヤーとのコミュニケーションには、あまり困らない。

 ただ、もう一歩先に行くには、自ら発信していけないとダメだ。
 自分に対して話してくれるケースはいいが、現地の誰かが、全体に向けて話すと理解が難しい。

 そんなとき黙っていれば、言われた内容が分かっていなくても同意したのと同じとされる。
 だから、いつだって意思を示すことができるようになりたい。自分の言葉で考えを伝えなければ。

 ラウトカラグビー協会のレフリーたちが毎週、月火水におこなっているトレーニングにも参加させてもらうつもりだ。
 そんな機会の積み重ねが、望む未来を呼ぶだろう。

移動はバスを使うことが多い。海がきれいなところも気に入っている

 ラグビーの国だ。
 ホストファミリーは楕円の世界の人ではないが、コーラルコーストセブンズに参加すると伝えると喜んでくれた。

 ちなみに、インド系フィジアンだけに、食事はカレーが多い。
 池田レフリーは、実は辛さに強くない。それを知り、マイルドな味にしてくれる優しさが嬉しい。
「フィジーの人たちは、本当に親切」と実感することばかりだ。

 移動はバスが多い。降りそこないそうになると、みんなでドライバーに伝え、止めてくれる。
 車が道を外れて往生していると、たくさんの人が集まってきて助ける。
「人の優しさをすごく感じられるところです」

「ブラ!」
 誰もが、すれ違うときに挨拶し、笑顔を見せてくれる。
 いいところに来たなあ。
 楽しいなあ、頑張ろう、の日々は、あと2か月以上続く。

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