第60回全国大学ラグビー選手権大会の準決勝が1月2日に国立競技場でおこなわれ、第1試合では、2018年度以来の日本一を目指す明治大学が関西王者の京都産業大学を52-30で下し、2年ぶりにファイナルへの切符をつかんだ。京産大は初の決勝進出ならず。
明大は序盤、SO伊藤耕太郎の「50:22キック」で敵陣深くに入ると、ワンプレーをはさんでスクラムから再開となり、5分、根気よくアタックを継続してFB池戸将太郎がキックでインゴールに転がしたボールをWTB海老澤琥珀が押さえ、先制した。
対する京産大は9分、敵陣深くに入ってラインアウトからモールで前進し、LOソロモネ・フナキが持ち出してショートサイドへ仕掛け、パスをもらったWTB西浩斗がトライを決めた。
5-5で迎えた17分、京産大が自陣深くでいったんターンオーバーしたが、ノックオンでボールを失うと、明大が一気に攻め、SO伊藤がスペースを抜けてインゴールに持ち込み、勝ち越した。
明大はさらに22分、敵陣深くに入ってラインアウトからモールを組み、ずらして、HO松下潤一郎が持ち出して突っ込み、連続トライとなった。
反則が続いた影響もあって14点ビハインドとなった京産大は、28分にゴールに迫り、FWが中央付近で近場を突いたあとすばやくボールを回し、SO奈須貴大が抜けてトライ(コンバージョン成功)。さらに、33分にペナルティゴールで得点すると、38分にもFL三木皓正キャプテンのゲインで勢いづいた京産大に対し明大の反則があり、FB辻野隼大が連続でショットを決め、1点差に詰めた。
しかし、明大はハーフタイム前、敵陣でペナルティを得ると、タッチに蹴ってトライを狙いに行き、ラインアウトからローリングモールで押しきり、大きな追加点となった。けがを克服して約2か月ぶりに戦列復帰したキャプテンのCTB廣瀬雄也がコンバージョンを決め、26-18で折り返した。
そして、後半のキックオフで京産大にノックオンがあり、スクラムから攻めるチャンスを得た明大はこの好機を活かし、テンポよく攻め込みSO伊藤が抜けてインゴールに持ち込んだ。
リードを広げた明大はさらに47分(後半7分)、ラインアウトからサインプレーを決めてNO8木戸大士郎の力走で敵陣深くに入り、フェイズを重ね、FB池戸が抜けてトライを決めた。
京産大は後半、ラインアウト失敗やハンドリングエラーが続いて波に乗れず、対する明大はキックチャージでも京産大にプレッシャーをかけた。
そして、明大は60分にゴール前のスクラムとすると、そこからすばやくバックス展開し、おとり役も機能してCTB秋濱悠太がトライを決め、点差を広げた。終盤にも7点を追加。
京産大は69分と試合終了間際にドライビングモールで2トライを奪い返したが、全国舞台はまたも準決勝で敗退となった。
勝った明大の神鳥裕之監督は「京都産業大の強いFWに対して我々もしっかり戦えた」と熱闘を振り返り、2年ぶりの決勝へ向けては、「やれることをしっかりやるだけ。自分たちの信じたラグビーをしっかりやりたい」とコメントした。