第103回全国高校ラグビー大会でBシードの石見智翠館高校(島根)が、花園で決勝進出したこともある京都成章高校(京都)と2回戦でぶつかり、36-26で制し第1関門を突破した。
注目の好カードで先制したのは京都成章だった。開始早々、SO岡元聡志の好走で勢いづくと、敵陣深くに入ってラインアウトを起点に攻め込み、FWが中央付近で近場を突いたあとテンポよくボールを回し、FB堀江佳太が先制トライを決めた。
対する石見智翠館は5分に追いつく。敵陣深くに入り、ラインアウトからのモールでは前進できなかったが、ボールを持ち出し突進したHO筧烈綺がタックルをかわして5点を奪い返した。
同点とした石見智翠館は14分、ゴールに迫り、NO8祝原久温が密集の上を越えてインゴールに飛び込み、トライ。21分にはスクラムからの展開で主将のCTB宮崎和史がブレイクして敵陣深くに入り、たたみかけ、右外にスペースを見つけたSO原田崇良がキックを放ち、その競り合いでインゴールに転がったボールをPR宮本将司が押さえ、トライが認められた。宮崎主将のコンバージョン連続成功も貴重な追加点となった。
一方、14点ビハインドとなった京都成章は27分、ハードにくさびを打ち込んだNO8田中眞椰からオフロードパスをもらったWTB乗松龍志が左外から内に切り込んでゴールへ駆け抜け、7点差に詰めて折り返した。
追いかける京都成章は後半の入りがよく、3分、FB堀江がパスダミーからディフェンスを抜け、パスをもらったWTB金内友希が右外を振りきりインゴールに持ち込んだ。主将のCTB太田陸斗がコンバージョンを決め、19ー19の同点に追いついた。
しかし、7分、危険なプレーをした京都成章の選手にイエローカードが提示され、7分間の退出となり、流れが変わる。
数的有利となった石見智翠館は10分、連続攻撃からFB新井竜之介が中央を抜け、ロングパスを大外でフリーのLO山根風雅に通し、勝ち越しトライ。18分にもテンポよく攻め込み、FL谷本一斗が連続攻撃をフィニッシュした。
14点差をつけられた京都成章はすぐに反撃し、21分にトライを奪い返し7点差に詰めたが、28分、石見智翠館の連続攻撃に対して京都成章に反則があり、石見智翠館は宮崎主将のペナルティゴールでリードを広げ、逃げきった。
同じくBシードの大阪桐蔭高校(大阪第2)は鹿児島実業高校(鹿児島)を57-7で下し3回戦進出となった。
先制したのは鹿児島実業。前半2分、敵陣深くに入ってラインアウトを起点にSO山川誠人の好走があってゴールに迫ると、FWを使ったあと主将のSH今東勇翔が間隙を突いてインゴールに飛び込んだ。
しかし、大阪桐蔭は7分、ゴール前でPKを得るとクイックタップから速攻を仕掛け、LO中谷陸人がインゴールにねじ込みトライが認められた。14分にはNO8上野凌大とLO中谷の力強いボールキャリーもあってゴールに迫り、粘り強い鹿児島実業のディフェンスに対し、HO西野陽が突進してタックルをかわし、勝ち越しトライとなった。
リードした大阪桐蔭は18分にも敵陣深くに入ると、ラインアウトからモールで押しきり追加点。21分には自陣から主将CTB林田力のビッグゲインでたちまち敵陣深くに入り、サポートもついて連続攻撃で逆サイドに大きく振り、最後はHO西野がピック&ゴーでインゴールに押さえた。
ハーフタイム前にもドライビングモールで加点し、29-7で折り返した大阪桐蔭は、後半早々のピンチをカバーディフェンスで踏ん張ると、9分にスクラムからの攻撃でフェイズを重ねてゴールに迫り、パワフルなPR野村俊介が突っ込んでトライを決めた。
16分には敵陣深くでプレッシャーをかけ、相手のショートパントにCTB手崎颯志が反応してカウンターとなり、つないでWTB馬場敦輝が得点。その後もトライを重ね、50点超えとなった。