2年ぶりの花園出場となった鹿児島実業高校(鹿児島)と札幌山の手高校(南北海道)が第103回全国高校ラグビー大会の1回戦で激突し、鹿児島実業が17-12で逆転勝ちした。
前半をリードしたのは札幌山の手だった。11分、自陣深くの鹿児島実業がディフェンス裏に蹴ったところ、ボールを手にした札幌山の手の高校日本代表候補であるWTB濱谷陸斗が入れ替わるように抜け、先制トライを挙げた。主将のSH近藤悟がコンバージョン成功。26分にはドラビングモールでゴールに迫ったあと、FLハラ・ウアイセレが密集の上からインゴールにねじ込んだ。
一方、前半にCTB永田快生がペナルティゴールを決め、3-12で折り返した鹿児島実業は、後半8分、ラインアウトからのサインプレーでPR岩元和優が突進してゴールに迫り、9番をつけた主将の今東勇翔がすばやくリサイクルしてNO8楠元歩夢がインゴール左隅に突っ込み、トライを決めた。CTB永田のサイドライン近くからのコンバージョン成功も貴重な追加点となった。
そして、2点差に詰めた鹿児島実業は19分、LO中島青空が仲間のサポートを得ながら粘り強いレッグドライブで前進し、そこから抜け逆転トライを決めた。コンバージョン成功で17-12となった。
その後、鹿児島実業はピンチの場面でLO日高拓海とSO山川誠人がブレイクダウンで奮闘するなど、5点リードをキープ。
逆転を狙う札幌山の手は、終盤にイエローカードをもらって1人少なくなりながらも死力を尽くし、試合終了間際、モールで大きくドライブしてゴールに迫ったが、得点ならず。相手に反則があり、PKからのタップで再び攻めたが、鹿児島実業が懸命に守り、ブレイクダウンでFL國生愛斗がターンオーバー、間もなく外に蹴り出し、激闘はノーサイドとなった。
そして、1回戦最後は三重県立朝明高校と九州学院高校(熊本)がぶつかり、22-10で朝明が制した。
前半はしばらく、がまん比べが続いたが、23分、朝明が敵陣深くに入ってラインアウトからモールを組み、副将のFL宮澤啓介がそこから抜けて先制トライを決めた。
朝明は5-0で折り返すと、後半10分に敵陣22メートルライン内に入ってフェイズを重ね、CTB内山塁がタックラーを弾き飛ばしたあと、鋭いフットワークで抜けて5点を追加した。これでリズムを良くした朝明は、19分にはラインアウトからモールで押しきり得点。24分にも攻め込むと、主将のSH山川雄摩がディフェンス裏にボールを蹴り、副将のSO浅場博登が反応してインゴールに押さえ22-0となった。
このままでは終われない九州学院は意地を見せ、後半27分、辛抱強くボールをつないでCTB一門克磨がブレイクしてゴールに迫ったが、トライにつながらず。相手に反則があり、PKのタップから再び攻め、FWが果敢に突進したが、朝明が堅守でトライを許さなかった。
しかし、試合終了間際の29分、朝明のラインアウト失敗でボールを手にした九州学院のLO山崎由太郎が力走して敵陣22メートルライン内に入ると、クイックリサイクルですばやく展開し、SO山崎涼太郎が強気のランで勝負してディフェンスを抜け、最後はタックラーを2人弾き飛ばしてトライを決めた。
そして、リスタートがあり、九州学院は自陣深くから攻め上がってFL下林蒼の突破から次々とボールをつなぎ、FB溝口貴大がビッグゲイン、サポートについていたSH山口隆真がパスをもらってゴールへ走りきり、見事なチームアタックを完成させた。