関東、関西、九州の社会人リーグ上位2チーム同士で争う3地域社会人リーグ順位決定戦が12月24日に開幕した。
1回戦はトップキュウシュウ1位のルリーロ福岡(以下、ルリーロ)が、地元福岡・JAPAN BASEでトップウェスト2位の島津製作所Breakers(以下、島津製作所)を迎え撃ち、59-12と大勝した。
試合が始まると両チームともに、ボールを積極的に動かして真っ向からディフェンス突破を試みる。
はじめに攻撃機会を多く得たのは島津製作所だったが、ルリーロFW陣のラックでのジャッカルプレーによって継続は阻まれた。
ルリーロも次第にボールを持ち始めると、フォワード、バックス一体となったアタックを仕掛ける。しかし、島津製作所の激しいタックルが突き刺さり、ボールキャリアの体躯がくの字になって前進を止められた。
前半10分、島津製作所陣22メートルライン付近の左スクラムからアタックしたルリーロは、SO田辺雅文が、ディフェンスの裏にボールを蹴り込む。CTB下良好純がそのままキャッチし、先制トライを奪った(7-0、ゴール成功)。
トライ後のキックオフでボールを再獲得した島津製作所は、果敢に前進してルリーロ陣内深くに攻め込む。しかし、ラックでの僅かな隙を狙ったルリーロのCTB八文字雅和がボールを奪い取る。いっきに敵陣深くまで攻め込んだ。
前半16分、ルリーロは再び敵陣ゴール前5メートルのラインアウトのチャンスから、FWの縦攻撃を仕掛ける。インゴール手前で島津製作所がボールを奪い取ると、ハーフウェイ付近までボールを蹴りこみピンチを脱したように思えた。
しかし、素早く戻ったルリーロFBの河野友希は落ち着いて処理。左で待つWTB屋宜ベンジャミンレイにボールをまわした。屋宜はディフェンダーを次々と振り切り、50㍍独走トライを奪った(14-0、ゴール成功)。
会場では予報よりも早くから小雨が降り始めた。
そして試合が進むにつれて、ルリーロのアタック時間が増えていった。
ルリーロは前半28分、32分と連続トライを決めた。
ハーフタイムまで残り10分を切った頃、ルリーロが高く蹴り上げたボールを島津製作所のWTB三島藍伴がキャッチし、反撃を試みた。
しかしルリーロは、再び密集でボールを奪い取った。素早く右へ展開。WTBカーン・ヘスケスへボールを渡した。
ヘスケスはタッチライン際でディフェンダーを振り切り、50メートルを独走する。26-0として前半を折り返した。
後半に入ると、ルリーロ陣での時間も増えた。
12分、島津製作所は敵陣ゴール前でフォワードの連続攻撃を仕掛ける。SO西村海音がディフェンスを突破し、チーム最初のトライを決めた(33-5、ゴール失敗)。
島津製作所は最後まで意地を見せ、後半42分には敵陣ゴール前のラインアウトモールから2つ目のトライも奪った。
しかし総合力で上回るルリーロは、試合を通してボールを繋ぎ、トライを重ねていた。
最後に得点を刻んだのもルリーロだった。
敵陣深くでのディフェンスからターンオーバーし、WTB屋宜ベンジャミンレイがインゴールへ持ち込む。59-12でノーサイドとなった。
試合を終えてルリーロの後藤悠太ヘッドコーチは、「すべてのコンタクトプレーが非常に強かったが、最後まで気を引き締めて戦えて良かった。チームとしての連係が今までよりワンランク上がっているのは、準備してきた成果だと思う」と、昨年とは違う手応えを語った。
FL西村光太主将も、「とても勢いのあるチームで苦しい時間もあったが、ほっとしています」と相手を称えた後に続けた。
「今シーズンは、日ごろから“圧倒”という言葉を使い続けてきました。結果的に良い試合ができて良かった。次戦は関東1位のヤクルトレビンズさんとの試合です。2週間しっかり勝つための準備をしたいです」
3地域社会人リーグ順位決定戦の次節は、下記の日程で行われる。
2024年1月7日(日)13時KO
ヤクルトレビンズ(トップイースト1位)×ルリーロ福岡(トップキュウシュウ1位)
場所:ヤクルト戸田総合グラウンド(埼玉県)
大阪府警察(トップウェスト1位)×セコムラガッツ(トップイースト2位)
場所:天理親里競技場(奈良県)