ラグビーリパブリック

合同チームの若狭東&敦賀工が花園で奮闘 目黒学院に屈するも新たな歴史を刻む

2023.12.27

パワフルな目黒学院相手に勇敢なタックルを連発した若狭東&敦賀工の合同チーム(撮影:松本かおり)


 少子化の影響もあって今年度から規定が緩和され、合同チームによる全国大会出場が認められるようになり、福井県は県立若狭東高校と敦賀工業高校が合同チームを結成して、花園に立った。合同チームとしての全国高校ラグビー大会出場は初めて。12月27日に開幕した第103回大会の1回戦で古豪の目黒学院高校(東京第2)に挑み、7-62で敗れたが、新たな歴史を刻んだ。

 序盤から目黒学院が主導権を握った。前半1分、カウンターラックで奪い返すと、突進したNO8ロケティ ブルースネオルからオフロードパスをもらったCTBラトゥ カヴェインガフォラウが先制トライを決めた。
 6分には、ゴール前でパワープレーを繰り返す目黒学院に対し、若狭東&敦賀工の合同チームは粘り強くディフェンスしていたが、PR山本真也がインゴールにねじ込んだ。
 9分にはハーフウェイからCTBのラトゥと石掛諒眞がゲインし、オフロードパスをもらったWTB中村理応がゴールへ駆け抜けた。

 一方、若狭東&敦賀工の合同チームは15分にゴールに迫り、NO8清水大和がピック&ゴーでインゴールに突っ込み、記念のファーストトライが認められた。共同主将のCTB高橋仁が難しい角度からのコンバージョンを成功し、7点を刻んだ。

 だが、パワーとスピードで圧倒する目黒学院は、18分にNO8ロケティのトライで突き放すと、22分にはモールで押し込み、25分にはFB中村福己が軽快なフットワークでディフェンスを抜け、追加点となった。

 38-7で折り返した目黒学院は後半も4トライを追加。

 それでも、福井県を代表した合同チームは最後までひたむきにプレーし続け、後半早々にはピンチの場面でLO岡修司がラインアウトスチールを決めチームを救い、5分には岡と共同主将PR若泉裕太による必死のダブルタックルでターンオーバーしたシーンもあった。FB辻優年は最後まであきらめない粘り強いタックルで食らいつき、NO8清水大和が力走で会場を沸かせたこともあった。

 結局、勝利には届かなかった若狭東&敦賀工の合同チームだが、少ない部員数で悩む学校の生徒や指導者たちにも新たな希望を抱かせる奮闘ぶりだった。

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