第103回全国高校ラグビー大会が12月27日に東大阪市花園ラグビー場で開幕し、宮崎県立高鍋高校が青森山田高校(青森)に33-14で勝ち、2回戦進出となった。
高鍋は前半7分、テンポよくフェイズを重ねて敵陣22メートルライン内に入り、FL安元惠士が抜けてゴールに持ち込み先制した。
7点ビハインドとなった青森山田は16分、連続攻撃でゴールに迫り、NO8アホ アントニオがタックルされながらも力強いレッグドライブでトライ。両チームともコンバージョン成功で同点となった。
しかし、先にペースを握ったのは高鍋で、後半のキックオフ直後、敵陣深くで副将のFL安元が猛タックルで相手に突き刺さり、サポート選手たちも圧力をかけてターンオーバー、HO高山成王がインゴールに突っ込み勝ち越しとなった。
4分にはラインアウトからモールで押し込み、主将であるSH佐光将宗の安定したゴールキックでも着実に加点した。
高鍋はさらに10分、WTB山下隆世が快走して鋭いステップでディフェンダーをかわすと、当たり負けしない強さも発揮してトライ。勢いは止まらず、15分にはテンポのいい連続攻撃を主将の佐光がフィニッシュし、勝利を引き寄せた。
青森山田は終盤にゴール前のタップから主将のSO中村桐十郎がトライを奪い返したが、反撃が遅かった。
2年ぶり8回目の出場となった静岡聖光学院高校(静岡)は1回戦で、最多出場(71回目)を誇る秋田県立秋田工業高校を36-15で倒した。
静岡聖光学院に勢いをもたらしたのは、元日本代表BK小野澤宏時氏の息子である小野澤謙真だった。15番をつけた小野澤は、前半7分、敵陣22メートルライン手前から軽快なフットワークで次々とディフェンダーをかわし、先制トライを決めた。
その後、秋田工のNO8三浦颯太がパワーでタックルを振りきり5点を奪い返したが、静岡聖光学院は21分にも敵陣深くに入って11フェイズ重ね、NO8齋藤凜太郎がすばやいピックアップから前に空いたスペースを突き、トライゲッターとなった。
副将である小野澤のゴールキックでも得点を重ね、17-5で折り返した静岡聖光学院は、後半早々、またもFB小野澤が自陣10メートルライン付近でのキックレシーブから鮮やかなカウンターでスルリとディフェンスの間を抜け、そのままゴールへ走りきり会場を沸かせた。
小野澤は後半6分にも鋭くディフェンスを切り裂くと、最後はタックラーを引きずりながらハットトリック達成。13分にはバックス展開で抜け、小野澤ひとりで4トライを挙げている。
秋田工は後半7分にボールをつないでFB安田心平が抜け、サポートがついて最後はSH筒井祢皇がインゴールに突っ込み得点。28分にもゴールに迫ってHO小林慶伸がトライを取りきったが、リードを守った静岡聖光学院が2回戦進出となった。