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【関西大学Aリーグ入替戦】同志社、摂南ともに残留。

2023.12.10

高い集中力で戦った同志社大。写真はWTB芦塚仁。(撮影/松村真行)

前半だけで7トライ、45得点を奪って圧倒した摂南大。(撮影/松村真行)



 関西大学ラグビーAリーグ(一部)の入替戦は12月9日、奈良県天理市の天理親里ラグビー場であり、同志社大(A8位)が大阪体育大(B1位)を62-21(前半38-0)、摂南大(A7位)が龍谷大(B2位)を69-12(前半45-0)でそれぞれ降し、Aリーグ残留を決めた。

 同志社大は降格すれば、1964年(昭和39)のAリーグ8チーム制以来初となる剣ヶ峰の一戦で、リーグ戦7戦全敗とは思えない躍動を見せた。個人技とモール。この2つが光る。

 前半10分の先制トライはその個人技だった。敵陣ゴール前で、WTB岩本総司が足首へのタックルを振りほどき、カットインする。ディフェンスは返り切れず、ゴールラインを駆け抜けた。このトライの突破口になったのも岩本のラインブレイクだった。

 続く同15、21分には連続してモールでトライを挙げる。SO嘉納一千のゴールキックも3本すべて決まり、21-0と前半で試合を決定づけた感があった。嘉納はこの日、8本のゴールと2本のPGの計10本のキックをパーフェクトに決めた。

 試合終了後、宮本啓希監督とPRの山本敦輝主将はグラウンド上で抱き合って喜んだ。宮本監督の目は真っ赤だった。

「同志社を守る戦いで、準備したことを100パーセント出してくれ、最大の集中力を発揮してくれた。学生たちはよくやってくれた」

 大阪体育大は過去2年、入替戦に出場していたが、「3度目の正直」とはならなかった。前半の反則数は同志社大の1に対して10。
「レフリーとのコミュニケーションが取れず、前半の反則の多さが勝負に響いた」
 中井俊行監督はリズムに乗れなかったことを悔やんでいた。

 大阪体育大は2年前の副将だった越智幸久さんが試合の1週間前に自動車事故で急逝。供養星を誓ったが、残念な結果になった。

 2試合目は摂南大が強いスクラムと3人の外国人留学生を軸に試合を有利に進める。終わってみれば11トライを挙げ、3年連続の入替戦をしのいだ(69-12)。就任4年目となる瀬川智広監督は笑顔を浮かべた。

「学生たちがよく頑張ってくれた。ひたむきにプレーをしてくれた。来年こそは大学選手権に行けるようにしたい」

 今季の関西Aリーグはこれで全日程を終了した。


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