開幕を2日後に控え、トヨタヴェルブリッツは12月7日にトヨタスポーツセンター ラグビー場で会見を開いた。ベン・ヘリングヘッドコーチ、姫野和樹キャプテン、そして新加入のアーロン・スミス、ボーデン・バレットが出席し、シーズンに向けての意気込みを語った。
昨季は8勝8敗で6位に終わり、今季は悲願の優勝に向け、リーグワン3シーズン目に並々ならぬ思いで臨むヴェルブリッツ。練習後、クラブハウスに隣接する会見場に姿を現わした4人は、穏やかな表情をしていた。
8期目のキャプテンを務める姫野は「非常にワクワクしています。新しい選手が来ていますし、今年はトヨタもいままでとは違ったラグビーをお見せできると思います」とコメント。そして「自分の仕事は(これまでと)変わらない。情熱と愛情をしっかり持ってチームを引っ張っていくことを意識しながら、グラウンドでは常にベストパフォーマンス出し続けること」と意気込みを語った。
チームに合流して間もないアーロン・スミス、ボーデン・バレットも時折笑顔を見せながら「リーグワンでプレーすることを楽しみにしていますが、まずはチームとコネクトし、ファンの皆様とコネクトしたいと思っています。開幕戦のチケットが完売と聞いて嬉しく思います」(アーロン・スミス)、「まずは日本に戻って来られてうれしく思います。今週末、ファンの皆様の前でプレーできることを楽しみにしています」(ボーデン・バレット)と開幕への期待を口にした。
アーロン・スミスはトヨタでプレーすることを決めた理由として、「2019年W杯のときに10週間ほど日本で過ごし、また戻ってきたいと思っていました。最大の理由としては、スティーブ・ハンセン ディレクター・オブ・ラグビーとのコネクションや、元ハイランダーズのチームメイトである姫野の存在が大きいと思います」と話す。
トヨタのディレクター・オブ・ラグビーを務めるスティーブ・ハンセンとは2015年W杯を一緒に戦っており、信頼関係がある。またヘッドコーチのスティーブ・ハンセンにはハイランダーズで指導を受けたこともあり、気心も知れている。
2020年にサントリーサンゴリアスでプレーしたボーデン・バレットも「スティーブ・ハンセン、アーロン・スミス、トム・ロビンソンといった親しい人の存在が大きい。前回はコロナのパンデミックもあり、行動が制限されていたので、今回は観光なども含めて楽しみにしています」と笑顔を見せた。
そして、バレットは2027年までニュージーランド協会と契約を結んだことにも触れ、「ニュージーランド代表としてプレーしていきたいという思いがあります。だから、ヴェルブリッツでプレーする1年の中でメンタル面をリフレッシュしながら、多くを学んでNZに戻りたいと思っています」と話した。
ラグビー界屈指のハーフ団の入団で、これまでのフィジカルの強みを前面に出したヴェルブリッツのラグビーに、よりスキルフルな要素が加わる。姫野も「周りを生かせる選手が来たことによって、自分たちのフィジカリティにより一層磨きがかかる」と期待を口にする。そして「合流して間もないけど、アタックはこうした方がいいとか、いろいろアイデアを出したりして、リーダーシップもすごくある」と早くもチームへいい影響を与えているようだ。
この日発表になった12月9日のブラックラムズ東京との開幕戦の先発メンバーには、姫野、アーロン・スミス、ボーデン・バレットの他にNO8にピーターステフ・デュトイ、CTBにシオサイア・フィフィタとW杯メンバーが名を連ねた。世界トップ選手たちが織り成し、どんなラグビーを見せてくれるのか。
「もちろん目標は日本で一番になること。選手としてはグラウンドでラグビーのすばらしさを常に発信していって、沢山の人に感動や勇気を感じてもらえるように頑張っていきたいと思います」
姫野キャプテンの力強い言葉から、今季にかける強い思いが伝わってきた。
12月9日、いよいよ3季めのリーグワンが開幕する。