将来有望な選手の発掘を進める日本ラグビー協会が、U20世代(20歳以下)の人材発掘と育成のためにおこなう「TIDキャンプ」の参加メンバーを発表した。第1回は12月4日から2日間、埼玉県・熊谷で実施される。関東地区の選手を中心にFW15・BK13、計28名の選手が参加する。
大学王者の帝京大や明治大など高校時代から将来を嘱望された選手が多数、選出されている。その中、関東大学リーグ戦2部で今季7位に終わった朝鮮大から初めてCTBとして1年生の李智寿(り・ちす)が選ばれた。大阪朝鮮高出身、王者・帝京大でSHを務める3年生、李錦寿(り・くんす)の弟だ。
李の姿は11月26日、母校グラウンドで2部最終節、国士館大との最下位争いの場にあった。今季初勝利を目指した試合。3部との入替戦では厄介な相手、3部全勝優勝の新潟食料農業大戦を回避するためにも7位確保が命題だった。初めて司令塔SOを任された李、拮抗した試合の前半25分に先制のPGを決める。7分後にも2本目のPGを成功し6ー0とした。国士館に逆転された後半38分には自らの絶妙なパントで味方の逆転トライにつなげた。コンバージョンも決めて13ー7に。後半最初にPGを確実に蹴り込む。さらに李があげたハイパントがトライにつながる。試合の〆もPGを成功し36ー14の勝利に貢献した。
李は話す。「U20は、これまでつないでくれた朝鮮大の先輩たちのおかげです。春の関東大学セブンズや夏の関東オールスターでのプレーが評価された」
7月2日、秩父宮ラグビー場でおこなわれた「第11回関東大学ラグビーオールスターゲーム」。リーグ戦2部選抜は対抗戦Bグループ選抜とセブンズで対戦した。チームが21ー0とリードした前半4分に東の聖地のピッチへ。2分後敵陣22メートル線でボールをもらう。インゴール中央へ豪快に飛びこみ5トライ目を奪った。試合はリーグ戦2部選抜が計9トライで63ー0と大勝。この日、兄も大会最後の「対抗戦選抜 vs リーグ戦選抜」の15人制試合に出場、兄弟共演を果たした。李は、リーグワンチームの誘いも受けて、上のレベルでの練習にも参加、スキルを磨いている。
サクラのジャージーを目指す権利は兄よりも早くつかんだ。「朝鮮大の代表として頑張ります」。キャンプの後は、10日に3部2位・東京工業大との入替戦のピッチに立つ。
なお、TIDキャンプ(U20)の2回目は12月11、12日に摂南大でおこなわれ、2024年2月初旬にU20日本代表候補メンバーが発表される予定だ。
<第1回 TIDキャンプ(U20)参加メンバー>
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木村 陽太(青山学院大)、檜山 蒼介(明治大)、石原 捷聖(立教大)、布引 大翔(帝京大)、山口 匠(明治大)
【HO】
梶川 尚能(帝京大)、螻川内 晴也(帝京大)、丸尾 瞬(関東学院大)
【LO】
物部 耀大朗(明治大)、吉村 由(St.Peters College)、楠田 祥大(関東学院大)、亀井 秋穂(明治大)
【FL】
大川 虎拓郎(明治大)、島崎 太志(立教大)
【NO8】
藤井 達哉(明治大)
【SH】
田中 景翔(明治大)、宮川 晴登(立正大)
【SO】
伊藤 利江人(明治大)、伊藤 龍之介(明治大)
【CTB/SO】
浅尾 至音(東洋大)、後藤 翔大(日本大)
【CTB】
李 智寿(朝鮮大)、炭竈 柚斗(法政大)、永井 大成(専修大)
【WTB/FB】
坂本 琥珀(東洋大)、山田 壮(青山学院大)
【FB】
竹之下 仁吾(明治大)
【SO/CTB/WTB/FB】
吉田 有佑(帝京大)