スーパーラグビーパシフィック2024に加盟する、各チームのスコッドが11月9日に発表された。
2月23日の開幕に先駆け、ここでは各チームのプレビューと注目選手を紹介する。今回はNZフランチャイズの5チームを掲載(オーストラリアフランチャイズの5チームは明日掲載予定)。
●クルセイダーズ
2023RESULT 優勝(1次リーグ2位)
歴代最多の14回の優勝経験を誇る(SRアオテアロアを含む)。
今季はLOホワイトロック、SOモウンガ、CTBグッドヒューら7連覇を支えた中核メンバーが退団。昨季トライ王のWTBファインガアヌクもフランスに渡る。
しかし、HOコーディー・テイラーやLOスコット・バレット、CTBデイヴィッド・ハビリら経験豊富な選手は健在。PRタマティ・ウィリアムズやFLトム・クリスティーら若手も育っている。
今季から指揮を執るロブ・ペニー氏のもと、精度の高いアタックや終盤のタフさを継続できるか。NTTコムや浦安DRでHCを務めた指揮官の手腕が問われる。
【注目選手】
➀FBウィル・ジョーダン
RWC2023NZ代表のトライゲッター。滑らかなランとスピードで防御網を突破する。
②FLトム・クリスティー
昨季タックル成功数リーグトップ(232回)。ABs入りを期待されるブレイクダウンマスター。
③CTBライアン・クロッティ
昨季までS東京ベイでプレーした元ABs。ベテランとしてチームに落ち着きをもたらす。
●チーフス
2023RESULT 準優勝(1次リーグ1位)
7連覇中のクルセイダーズに昨季はあと一歩及ばなかった。リーグ戦は2戦2勝も、プレーオフ決勝で敗北。2012年、’13年以来の連覇以来となるスーパーラグビー制覇へ、今季こその思いは強い。
共同主将を務めたサム・ケイン、ブラッド・ウェーバーがそれぞれ東京SG、スタッド・フランセ(TOP14)に移籍したが、選手層はなおも厚い。SOダミアン・マッケンジーを中心に、CTBはレイナートブラウンとトゥパエアの黒衣軍で固める。190㌢のFBスティーブンソンは、将来のABsを背負って立つであろう存在だ。
【注目選手】
➀HOサミソニ・タウケイアホ
テイラー、コールズの後釜として、NZ代表の正HOを狙う26歳。パワフルなボールキャリーが武器。
②SHコルテズ・ラティマ
瞬発力とプレーの多彩さで元ABsでチーフスのカーバローの再来と評される。ウェーバーの穴を埋める。
③FBショーン・スティーブンソン
昨季のトライランキング2位タイ(12トライ)。オールブラックスデビューも果たした新星。
●ブルーズ
2023RESULT 準決勝敗退(1次リーグ3位)
昨季リーグトップのクリーンブレイク数(126回)、ゲインメーター(8565㍍)が証明するように、スピードあるアタックが持ち味のチームだ。
今季はその中心を担ったSOボーデン・バレット(トヨタV)こそ抜けるが、FW、BKともに経験豊富なメンバーを揃えている。FWにはNZ代表経験者がズラリ。PRトゥウンガファシにLOトゥイプロトゥ、6番アキラ・イオアネ、7番パパリィイ、8番ソトゥトゥと、豪華な顔ぶれ。BKにはCTBリーコ・イオアネ、WTBマーク・テレアらスピードと強さを兼ね備えた前に出られるランナーが並ぶ。
スコットランドやフィジーの代表HCを務めたバーン・コッター氏を指揮官に迎え、2003シーズン以来の優勝が期待される。
【注目選手】
➀SOスティーブン・ペロフェタ
卓越したゲームセンスとスキル。NZ代表として昨年の日本戦にも出場した26歳。
②WTBマーク・テレア
RWC2023で大ブレイク、年間最優秀新人賞も獲得した。アグレッシブで切れ味の鋭いランが魅力。
③CTB リーコ・イオアネ
26歳にしてABsキャップ69。強靭な脚力とディフェンスレンジの広さは世界でもトップクラス。
●ハリケーンズ
2023RESULT 準々決勝敗退(1次リーグ5位)
若手とベテランが上手くミックスされた攻撃力の高いチームだ。ハーフ団はRWC2023NZ代表のSHキャム・ロイガードやケガから復帰するTJ・ペレナラ、SOエイダン・モーガン、元釜石SWのブレット・キャメロンなど競争力が高い。
トライも取れるCTBビリー・プロクター、ベイリン・サリヴァン、SO、WTB、FBをこなすルーベン・ラヴと、オールブラックスXVで昨秋来日した将来有望なタレントが揃っている。WTBキニ・ナホロは9トライをマークした。
今季からクラーク・レイドロー新HCが指揮を執る。浦安DRのグレイグの叔父だ。
【注目選手】
➀CTBジョーディー・バレット
複数ポジションをこなす。飛距離、正確性に優れたキックも大きな武器。
②PRタイレル・ロマックス
昨季リーグトップのスクラム成功率(89%)を支えた右PR。RWC2023決勝でも先発出場。
③SH TJ・ペレナラ
トップリーグ2020時にNTTドコモを上昇させた立役者。今季、アキレス腱断裂から復帰する。
●ハイランダーズ
2023RESULT 1次リーグ9位
SHアーロン・スミス(トヨタV)、LOディクソン(トヨタV)、FLフリゼル(BL東京)、NO8ミカエレ・トゥウ(相模原DB)、SOミッチ・ハント(三重H)など、経験豊富なメンバーがこぞって来日を決断。
2015年に初優勝をもたらしたジェイミー・ジョセフ前日本代表監督が、ヘッド・オブ・ラグビーとしてチームを再建できるかどうかに注目が集まる。
LOパリパリ・パーキンソン、FLビリー・ハーモン、SHフォラウ・ファカタヴァら主軸メンバーの奮起も期待される。スタッツの低かったアタック力の向上を図りたい。
【注目選手】
➀PRイーサン・デクルート
チーム唯一のRWC2023NZ代表で、決勝トーナメントでは最後まで1番を背負った。
②SHフォラウ・ファカタヴァ
スキルの高さ、体の強さ、速さ、積極性を兼ね備える。スミスの後継者として期待大。
③WTBティモジ・タヴァタヴァナワイ
モアナ・パシフィカから移籍。昨季はリーグ2位のDF突破を記録。パワフルなランが武器。
●モアナ・パシフィカ
2023RESULT 1次リーグ12位
2022年にSRに参戦。スコッドの約3分の2の選手がトンガ、サモアの代表経験を持つ。2季連続12位と苦しんでいるが、昨季はオフロード数3位、ディフェンス突破5位とアタック力を見せた。セットプレーの安定と反則を減らすことが上昇へのカギだ。
FWは激しいプレーが売りのFLソロモネ・フナキ、BKは鋭いランが武器のSHジョナサン・タウマテイネ、経験豊富なSOクリスチャン・リアリーファノなど実力者がチームを引っ張る。クルセイダーズからFLシオネ・ハビリ、ハリケーンズからWTBジュリアン・サヴェア(RWC2015トライ王)、ブルーズからPRジェームズ・レイ(サモア代表)と補強も成功した。
➀SH ジョナサン・タウマテイネ
RWC2023は金髪で登場(サモア代表)。チリ戦ではアクロバティックなトライで注目を集めた。
②SO クリスチャン・リアリーファノ
豪州代表26キャップを持ち、RWC2023はサモア代表で出場。NTTコムでのプレーの経験も。
③FB/SOウィリアム・ハヴィリ
トンガ代表としてRWC2023は全試合に先発(SO)で出場、ゴールキッカーも務めた。