11月26日、関東大学リーグ戦は今季日程を終了した。各部で順位が確定し残留、昇格をかけた入替戦へ。各部7、8位と下の部の1、2位との対戦相手も確定した。
<リーグ戦1部・2部入替戦>
1部は最終節で立正大が法政大に敗れ2勝5敗、勝点10にとどまった。7位争いの相手、第6節まで勝点7の日本大は昨年度躍進した東洋大に20-12で競り勝ち、2勝5敗ながら勝点11とし6位となった。8位は今季、再昇格した拓殖大が開幕以来7戦全敗で最下位になった。
2部との入替戦は12月16日におこなわれる。立正大が2部2位の専修大、拓殖大が2部優勝の関東学院大戦。くしくもこの2試合は2021年度に立正大が専大を53-47で下し1部昇格、昨年度は拓大が関東学院大を26-17で制し昇格している。2部校にとりリベンジの一戦となる。
<2部順位確定。下位は朝鮮大と国士館大に>
2部は11月26日、最終第7節をおこなった。関東学院大が専大を43-33で下し6勝1敗勝点28で並んだが、直接対決の結果、関東学院大が優勝した。3位は5勝2敗の中央大、古豪は2年連続で入替戦出場を逃した。4位白鷗大(4勝3敗、勝点20)、5位山梨学院大(同、直接体対決で白鷗が勝利)、6位國學院大(2勝5敗、勝点10)と続いた。
3部との入替戦出場が決まっていた全敗同士の朝鮮大と国士館大が朝鮮大グラウンドで対戦した。
朝鮮大は今季、ケガ人続出でメンバーがそろわず開幕から3試合を棄権していた。この試合もメンバー登録にリザーブはフォワード(FW)1、バックス(BK)1と計17人で臨んだ。一方、国士館大は23人を揃えて登録した。
試合は雨あがり気温10度前後の寒い中、始まる。両校、「今季初勝利」をかけて気持ちのこもる戦いを見せる。しかし滑るボールにノックオンも目立った。
均衡が破れるのは、開始から24分が過ぎていた。国士館陣22メートル付近、国士館のラックに朝大がからむ。ノットリリースを得た。普通ならタッチへ蹴り出し得意のラインアウト・モールを見せるところだが手堅くPGを選択した。蹴るのは、チーム事情もありこの試合で初めてSOとなった李智寿(リ・チス。1年、大阪朝高)。右足で先制PGを蹴り込んだ。朝大はディフェンスでも圧倒した。リスタートのボールを国士館長身のFWが確保する。しかし再びブレークダウンで朝大が制圧しチャンスの芽を摘み取った。するとキックで国士館陣へ入ると国士舘が自陣で反則を犯した。32分、SO李が2本目のPGを成功し6-0に。3分後、朝大エリアに入った国士館SO釘本祐作(4年、府中西)が軽快なランを見せてゴール前へ。さらに継続し右WTB大野将輝(4年、昌平)が中央へダイブした。コンバージョンは釘本が決めて6-7と逆転。敵地へ訪れた国士館応援席が沸いた。
しかしリスタートの長めに蹴ったボールを国士館が落としてしまった。ゴール前10メートルで朝大がスクラムを得た。スクラムは押すような無理はせずに出す。ここでもSO李が絶妙なミニパントを国士館ディフェンスの背後にあげた。インゴールへ転がったボールをゲームキャプテンのCTB李明樹(リ・ミョンス。4年、東京朝高)副将が押さえた。コンバージョンはSO李が決め13-6で折り返した。
後半最初の得点も李の右足だった。2分、敵陣のブレークダウンで勝つと迷いなくPGを選びバーを越えた(16-7)。
1勝にかける思いは国士館も強い。「前線で体を張ってボールをつないでいく」(主将、NO8国兼颯太。4年、札幌山の手)。13分、朝大22メートルのマイボールスクラム。FWのゲインからボールを右へ運ぶとCTB窪田龍之介(2年、報徳学園)が右中間へトライを奪った。ゴールキックも決まり16-14と2点差に追い上げた。3分後、朝大はリスタートのボールから左ラインアウトを得る。広いサイドへ運ぶとLO夫善昶(プ・ソンチャン。1年、大阪朝高)が右隅に仕留めた。難しいコンバージョンを李が決める。7点差をキープした。さらにリスタートのボールを国士館がアタックするも、ここでもからみノットリリースを勝ち取った。30分、敵陣へ入ると李がハイパントを蹴りあげた。ルーズボールを朝大が奪いつなぐ。リザーブから入ってきたBK金唯禎(キム・ユジョン。1年、大阪朝高)が左中間へファイブポインターに。さらに1トライ後、李は試合終了前に4本目のPGも決めた。36-14。李が2G4PGの16得点。2つのトライを演出した。朝大が1勝6敗(勝点4)、国士館(7敗、勝点1)で終えた。
李は「初めてのSOでしたが先輩たちが横から声をかけてくれてうまく試合をリードできました。今日は前節の敗戦(11-31國學院大)から得た課題を修正しました。トライを取り急いだことや声掛けが少なかったことです。チーム練習のない時も個人練習を増やしてきたことが良かった。入替戦も頑張ります」。その入替戦は3部2位の東京工業大だ。朝大・呉衡基(オ・ヒョンギ)監督は「東工大の今年のデータは今から集めます。実は東工大と3部で戦っていたころ、2部昇格を決めた2015年は負けています(12-22東工大)。簡単な相手ではありません」。朝大と東工大は3部では2014年も29-19で東工大の勝利。朝大が勝ったのは10年前、2013年の27-0が最後だ。
敗れた国士館は、躍進中で5部から公式戦連勝を続け3部優勝を果たした新潟食料農業大が相手になる。国兼主将は「FWが強いチームと聞いています。今日出た課題、ブレークダウンを修正する。そして自分が先頭に立ち、前線で体を張って戦います」。2部3部以下の入替戦は12月10日だ。
<3部順位。新潟食料農業大が全勝優勝>
3部は11月19日に最終戦を戦った。新潟食料農業大が千葉大から9トライ奪い55-3と一蹴し7戦全勝で栄冠を勝ち取った。2位は東京工業大が42-17と千葉商科大を制し5勝2敗、勝点25に。駿河台大も26-0と東京農業大から勝点5を得て25とし5勝2敗で並んだ。しかし東工大が直接対決を制しており2位に浮上した。3位が駿河台大。4位は5勝2敗、勝点22の東農大。5位防衛大(3勝4敗、勝点16)、6位千葉商科大(2勝5敗、勝点10)。7位は1勝6敗の東京都立大(勝点5)、8位千葉大(勝点0)の結果になった。
3部4部入替戦は、都立大×駒澤大(4部2位)、千葉大×玉川大(4部1位)となった。
<4部順位>
今季、3部から新潟食農大に敗れ降格した玉川大。最終節で駒澤大との全勝対決を56-7で勝ち優勝した(7勝)。2位駒澤大(6勝1敗)、3位獨協大(5勝2敗)、4位順天堂大(3勝1分け3敗)、5位東京理科大(3勝4敗)、6位神奈川大(2勝1分け4敗)、7位埼玉工業大(1勝6敗)。8位は今季、棄権が続いた国際武道大が全敗で落ちた。
入替戦は、埼工大が5部2位の東京経済大、武道大は5部全勝優勝の横浜国立大と相対することになった。
<5部順位>
横浜国立大が最終節、昨年度2位の東京外国語大を31-10で下し優勝(7勝)。2位は6勝1敗で健闘した東京経済大。3位に5勝2敗、芝浦工業大。東京外大は4勝3敗で4位。5位に今季から地区対抗関東1区1部から移籍した東京海洋大が49-7と千葉工業大を圧倒し3勝4敗で滑り込んだ。6位桜美林大(2勝5敗)、7位創価大(1勝6敗)、8位千葉工大(7敗)。
<地区対抗関東順位>
地区対抗関東1区1部は東京海洋大がリーグ戦に転籍したため東京学芸大と東京都市大の2校になった。2戦戦い学芸大が連勝し優勝、来年1月の「第74回全国地区対抗大学大会」で連覇を目指す。
2区は決勝トーナメントをおこない茨城大が決勝で信州大に25-22で勝ち優勝。茨城大が全国大会へコマを進めた。
※朝鮮大学校の選手役職、得点経過について一部訂正をいたしました。CTB李明樹選手について主将→ゲームキャプテン、副将としました(11/27_18:31)