関東大学リーグ戦1部の最終節2日目が11月26日、秩父宮ラグビー場でおこなわれ、日大が東洋大を20-12で破った。
日大は勝ち点11、6位となり、入替戦を回避。東洋大は勝ち点を16のまま伸ばせず、5位で大学選手権出場を逃した。
暫定3位だった法政大が、2017年以来の選手権出場を決めた。
先制パンチを決めたのは東洋大だった。前半3分。HO小泉柊人がキックオフ直後にジャッカルを決めると、ゴール前のラインアウトからSO天羽進亮のキックパスを受けたWTBモリース・マークスが右隅に入った。
キックで敵陣に入った日大は14分、粘り強く攻めて最後は22㍍ライン内でのスクラムから左に展開、CTBジョアペ・ナコ、WTB石黒康生と繋いでトライ。5-5と同点に追いついた。
日大はその後も、スクラムでプレッシャーをかけ続け、SO後藤翔大の裏のスペースへキックを蹴り込むなどチャンスを作るも、パスミスに反応した東洋大WTBマークスが自陣からドリブル、一気にスコアまで持っていった(26分)。
5-12とされた日大は33分、HO小泉のジャッカルから敵陣深くに入る。SO後藤の蹴ったボールが相手に当たり、それをCTB三良煕三郎が捕球。そのまま走り切って再び同点に追いついた。
日大は後半の立ち上がりにもWTB石黒の好キックとラインアウトでプレッシャーをかけてチャンスを作り、モールから逆転のトライ。
その後もスクラム、モールで優位に立ち、悪天候も味方して相手の落球を誘うタックルを決め続けた。
28分には反則の繰り返しから一時14人となるも、CTBナコが強烈タックルを何度も繰り出し、37分には敵陣10㍍ラインでPKを得る。このPGは外れたが直後にLOセコナイア・ブルのジャッカルを決めて、今度こそ約20㍍のPGを沈める。20-12と8点差とし、最後までリードを保った。
日大の窪田幸一郎監督は、「非常に苦しいシーズンだったが、最後にチーム一丸となってくれた。感動しました」と語った。
最終節で奮闘できた要因に、NO8佐川奨茉主将は「4年生の意地」を挙げた。
「4年生が最後のプライドを見せられた。後輩たちに来年も1部でプレーさせてあげられるように、全員が高いモチベーションで練習できていました。ゲームの入りは苦しかったけど、4年生が落ちずに最後まで我慢できた」と誇った。
2年連続の大学選手権出場とはならなかった東洋大、福永昇三監督は「まったくこういう状況を想定していなかったので言葉が見つからない。強みにしているスクラムやモールを生かせなかった」と唇をかんだ。