今季、仁木啓裕新監督のもと、リーグワン・デイビジョン3からディビジョン2昇格を目指す清水建設江東ブルーシャークス。シーズン前には元ニュージーランド代表SOリマ・ソポアンガを獲得。そしてもう一人、期待のニューフェイスがイングランド出身のジョシュア・バシャムだ。
ポジションはNO8で身長194㌢、体重106㌔。今季、九州KVからのLOトム・ロウ(200㌢・114㌔)、相模原DBからのNO8サム・チョンキット(197㌢・109㌢)ら国内移籍組とともにFWの中心として期待される。
ラグビーマガジン1月号付録の「オフィシャルファンブック」のfバシャムの紹介には「顔良し中身良し。欠点を皆で詮索中」とある。確かに見た目も格好いいし、話してみるととてもクールだ。
1999年4月17日生まれ、日本代表で言うとFL福井翔大、CTB長田智希と同学年になる。
昨シーズンまで、 ニューキャッスル・ファルコンズでプレー、今季、古巣のロンドン・アイリッシュでプレーする予定だったが、チームが経営破綻で今季はリーグに参加できなくなったため、戦いの場を日本に移した。
「ロンドン・アイリッシュではプレーができなくなり、改めて自分が何をしたいのか考えた時に、新しい挑戦をしたいと思って日本に来ました。日本のラグビーは世界の中で一番急成長していて、日本でプレーできたら選手としても成長できると思ったのが、日本でプレーしようと思った一番の理由です」
すでにプレシーズンマッチでチームの一員としてプレーしているバシャム。最初はその速い展開に圧倒されたという。
「いままで自分が経験してきたラグビーとは展開のスピードが違いました。最初は驚いたけど、その違いは新しい経験で、いまは愉しんでいます。この間のプレシーズンマッチはこれまでで一番試合が長く感じました(笑)」
NO8の他にFLもこなし、自分の持ち味はタックルだという。
「昔からタックルが好きで、ディフェンスのフィジカルの部分でチームに貢献したい。ただ、ディフェンスだけでなく、チームには足の速い選手やキャリーのできる選手がいるので、アタックの面でもそういう選手をサポートしていきたい」
5歳のころ、父親に地元のウィンザー・ラグビークラブに連れて行ってもらったのがラグビーとの出会い。イギリスの冬は寒くて辛い時もあったが、父親が毎週末に練習に連れて行ってくれた。
「体を動かすのが好きだったので、楽しかったです。親しい友だちもラグビーを通してできたし、高校、大学とプレーする中で、人生の教訓になるようなことを学ぶことができました」
ラグビーの他にも小さい頃には水泳、バスケ、サッカー、クリケットなど、色々な競技をした。いろいろ経験することで、多くのことを学んだ。U20イングランド代表ではキャプテンを務め、フランスでおこなわれたチャンピオンシップ決勝でフランスと戦った。
「その年代での最高峰の戦いを経験することができました。戦術的なことを理解して、どうやってゲームをコントロールしていくかなどの基礎を学べたと思っています。本当にいい経験になりました」
当時、一緒にプレーしていたメンバーのなかには、イングランド代表のFLベン・アール、SOマーカス・スミス、スコットランド代表ではSHベン・ホワイト、CTBキャメロン・レッドパスなどワールドカップフランス大会に出場した選手も何人もいる。
チャンピオンシップのあとは、北イングランドにあるダーハム大でラグビーを続けながら経済学を学んだ。学位を取ったことで、将来の選択肢も広がった。
そして日本でプレーする道を選択したいま、将来の目標はどこに置いているのか。
「チームの経営破綻という辛い経験もし、ラグビーはいつまでも続けられるものではないんだなというのを実感しています。だから、将来のことを考えるよりも、いまできることに全力をつくし、その流れに身を任せようと思っています。目の前のことに全力で取り組み、もし何かチャンスが来たら挑戦していこうと思っています」
12月9日にはいよいよシーズンが始まる。
「プレシーズンマッチでタフな試合を何試合か経験して、課題や学びがたくさんありました。それをみんなポジティブにとらえていて、同時に今シーズンはやれるぞという手ごたえも感じています。ここからしっかりやっていって、D2に昇格できる力があるんだぞというところを証明したいと思います。個人的にもすごく前向きにシーズンを楽しみにしています」
青い瞳の青年が挑む新たな挑戦。日本のリーグワンでどんなプレーを見せてくれるのか楽しみだ。
●PROFILE
JOSHUA BASHAM
ジョシュア・バシャム
1999年4月17日生まれ/イングランド/194㌢・110㌔/
ウエリントンカレッジ-ダーハム大/ロンドン・アイリッシュ(2017-18、22)→ニューキャッスル・ファルコンズ(2018-22)→江東ブルーシャークス(23-24~)
U20イングランド代表 チャンピオンシップに出場
日本食ではトロのスシが大好き。最近ではラーメンにはまっており、特に京都に旅行に行ったときに食べたラーメンの味が忘れられない。