第103回全国高校ラグビー大会の兵庫県予選の決勝は11月18日、神戸ユニバー記念補助競技場であり、報徳学園が関西学院を26-5(前半21-0)で降し、8大会連続49回目の本大会出場を決めた。
報徳学園は前回102回大会では初の準優勝。東福岡に10-41で敗れている。その高みに挑むための最初の関門になった。
試合前には霰(あられ)が降り、時折、立っているのがきつい強風が吹きすさぶ。そのコンディションで県決勝は始まった。両チームはセカンドジャージーを着用。報徳学園は黒、関西学院は白ベースだった。
前半、風上を取った報徳学園がSO主将の菊川迪(ゆう)の風を利したキックで、FWを前に出し、有利に試合を進めた。
前半6分にはラインアウトを起点に、5次にわたり激しくラックサイドを突き、最後はPR森下陽希(はるき)がインゴールを割る。先制点を叩き出した。
5分後には菊川のキックパスをWTB長谷川諒が受け、右隅に飛び込んだ。さらに27分、長谷川が抜けたところを1 年生SHの日比野陽穂(ようすい)が忠実にフォローする。この日、チーム3本目のトライを記録。前半を優位に終えた。
後半は風上に立った関西学院のペース。2分にはラインアウトを起点に6次攻撃目にFL杉田奏斗(かなと)が持ち出してゴールラインを超える。17分にもトライかと思われたが、グラウンディングが確認できず、報徳学園のインゴールドロップアウトになった。
一方、報徳学園は29分、自陣から交替CTBの黒澤俊介がラインブレイク。フォローした長谷川がこの日2本目となるダメ押しのトライを記録した。
報徳学園の西條裕朗監督は満面の笑み。
「前回、準優勝だったので、もう一度チャレンジしたいと思っていた。選手が頑張ってくれて、結果が出てよかった」
勝因は「タックル」と答えた。
「みながひたむきにいってくれた」
風下の後半を1トライに抑えたディフェンスをほめていた。
関西学院の安藤昌宏監督は敗因について聞かれ、短く返した。
「風を使えなかったこと」
後半6分、SO木山鉄平が負傷退場した。司令塔であり、主将である木山の退場で、キックを据えた後半の逆転プランが難しくなったことを安藤監督は認めていた。
この2校による決勝での顔合わせは5年連続。通算成績は報徳学園の4勝1敗。3年前の100回大会予選は関西学院が報徳学園に34−10と差をつけたが、報徳学園は記念大会で近畿地区に1枠与えられたオータムチャレンジを制する。関西学院ともに、県から初めて2校の全国大会出場を成した。
この103回目の全国大会は来月12月27日、大阪府の東大阪市花園ラグビー場で開幕する。また、この日は例年なら決勝の舞台となる神戸ユニバー記念競技場のメイングラウンドが改修工事中で使えず、補助グラウンドの使用になった。