トップキュウシュウAリーグは6チームでの総当たり戦を終え、上位下位3チームずつに分かれた順位決定戦が始まった。
博多の森補助競技場で11月11日(土)に行われた順位決定戦の初戦は、リーグ戦全勝(5試合中2試合は不戦勝)のルリーロ福岡(以下、ルリーロ)が3位の安川電機に124-21で大勝した。
ルリーロは開始早々に、相手キックからのカウンターアタックで連続攻撃を仕掛け、No.8フィナウ マカヴァハ(花園大学)のラインブレイクなどでゴール前まで持ち込み、最後はSH三股久典(明治大学)が先制トライを決めた。
開始2分の先制トライを皮切りに、押して良し走って良しの超攻撃的なラグビーで、前半20分過ぎまでに計6トライを積み重ね38-0まで点差を広げた。
一方、安川電機はルリーロの強力なアタックを止めきれずにいたが、前半23分にトライ後のマイボールキックオフをダイレクトキャッチした。
その後右へと展開し、CTB武谷京佑(中央大学)がディフェンスラインを突破。トライまで持ち込んだ(38-7、G成功)。
安川電機は徐々にアタックでのペースを掴みだし、前半に少しでも差を縮めようと果敢に攻め込んだが、ルリーロのCTB金崎廉太朗(筑波大学)の切れのあるランプレーや、インターセプトから3トライを奪われ55-7で前半を折り返した。
後半もルリーロは攻撃の手を緩めなかった。FWBKが一体となったアタックで後半だけで11トライを奪い、合計20トライの124-21でノーサイドとなった。
チーム発足二年目のルリーロは、9月のシーズン開幕からリーグ戦全勝に向けて順調に勝利を重ねてきた。しかしリーグ戦後半に予期せぬ出来事が起こった。
4戦目のJR九州サンダース戦、そして5戦目の三菱重工長崎戦ともに、相手チームから<負傷者による棄権>の申し出があり、10月1日の第3戦以降は実戦経験を積むことが出来なかった。
トップキュウシュウ初参戦の去年とは違い、メンバーも充実してきた。入念に準備もできた。そして試合会場に足を運んでくれるファンも増えた。
10月29日のリーグ戦最終戦は、ファンも待ち望んでいたホームグラウンドの久留米総合スポーツセンター陸上競技場での初試合の予定だった。
チームの公式ホームページには、10月24日付で<リーグ第5戦の中止と三菱重工長崎とのエキシビジョンマッチ実施>の告知があり、3日後の10月27日には<ルリーロネイビー vs ルリーロオレンジの実施>、いわばチーム内マッチへの変更が再度告知された。
待ち望んだホームグラウンドで、大勢のファンにルリーロのラグビーを見てもらいたいという想いと、チーム力が充実する中レギュラー争いのためにも実戦経験が必要という意思が伝わってきた。
当日、久留米総合スポーツセンター陸上競技場にはチーム内マッチにも関わらず、1000人を超えるファンが集まった。
2チームに分かれた選手たちは、全力で激しく身体をぶつけ合った。負傷者も数名出た。
試合は15-15の引き分け。
集まったファンも白熱するプレーに大いに喜んだ。
ゲームに出場しないメンバーやスタッフも、愛嬌のあるハロウィンの仮装で会場の子供たちを喜ばせていた。
地元久留米市での初の公式戦はお預けとなったが、<地域密着型ラグビーチーム>の地域との繋がりを感じる貴重な一日となった。
同時に、試合後に実戦を終えた満足感とともに、「公式戦が早くしたいです。」と語ってくれた選手の姿が印象深かった。
順位決定戦の試合後、後藤ヘッドコーチは「久しぶりの試合だったが、しっかりと勝てて良かった。リーグ戦二試合が出来ずモチベーションのコントロールは難しかったけど、エキシビジョンマッチという形でチーム内の競争ができたこと、何より久留米のグラウンドで大勢のファンの前でゲームが出来たことが非常に嬉しかった。」と話した。
共同主将の一人、FL安田直樹(近畿大学)は、「久留米での部内マッチのあとも良い準備ができた。去年とは違いチーム内の競争も格段に増している。まずは次戦に向けて良い準備をして、トップキュウシュウを勝って3地域対抗戦に繋げたい。」と話した。
同じく共同主将のFL西村光太(九州共立大学)は、「今年に入って選手、スタッフ、地域の方たちとみんなで一緒にリーグワンに上がろうと言い続けてきた。今、うきは市の地域おこし協力隊という立場で、地域や行政の方たちと接する機会が多い。地域の方たちには本当に感謝している。みんなで一緒にリーグワンに上がりたい。」と話した。
ルリーロは11月25日(土)にリーグ2位の日本製鉄九州八幡とトップキュウシュウAリーグ最終戦に臨む。
その後の3地域社会人リーグ順位決定戦には、今年はトップイースト、トップウエスト、トップキュウシュウから、上位2チームずつ合計6チームがトーナメントで競うことになる。
リーグワンへの新規参入チームは、2024年1月末に決定する。