13年も誇り高き白シャツを着てきた9番が代表生活に区切りをつける。
イングランド代表のSH、ベン・ヤングスが10月27日におこなわれるラグビーワールドカップの3位決定戦を最後に国際舞台から降りる。
ブロンズメダルを懸けて戦うアルゼンチン戦で127キャップ目。34歳の残してきた足跡は輝かしい。
赤い薔薇のエンブレムを胸に戦った証であるキャップ数は同国最多。ワールドカップの舞台は今回で4回目。2019年大会ではファイナルの舞台も踏んだ。
シックスネーションズの優勝は4回。ブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズ(キャップ2)のメンバーにも選ばれたことがある。
今回のW杯は、アレックス・ミッチェル、ダニー・ケアという2人のバックアップにまわった。
日本戦とチリ戦に途中出場。先発出場はアルゼンチン戦が初めてだ。
マーティン・ジョンソン、スチュアート・ランカスター、エディー・ジョーンズ、スティーブ・ボーズウィックと、4人のヘッドコーチの下でプレーできたのは、安定感を持ち、信頼を得た証拠だ。
初テストとなった2010年のシックスネーションズ、スコットランド戦ではWTBとして途中出場。3キャップ目となった同年6月のオーストラリア戦でSHとして初先発すると、その後は9番を背負い続けた。
2009年、ジュニア・ワールドチャンピオンシップ(JWC/U20ワールドカップ)が日本で開催されたとき、ヤングスも若きレッドローズの一人として来日していた。
そのときラグビーマガジンの取材を受け、「プロのラグビー選手になると決めたのは14歳」と答えている。
13歳の時、イングランド・プレーヤー・ディベロップメント・センター選出の有望選手となったことがきっかけだった。
ラグビーを始めたのは6歳の時。兄・トム(元イングランド代表HO)が地元クラブ、ホルトに加わった時だ。その背中を追った。
15歳で強豪・レスターのトライアウトに合格。17歳でシニアチームデビューを果たした。
父・ニックさんも、イングランド代表SHとして活躍した人だ。
代表引退に際し、英メディアに「これだけ長く続けてこられたことを、強く誇りに感じています」と答えた。
13年間の努力にプライドを持ち、自分で歩んでゆく道を決断できることは幸せと話す。
このワールドカップに集中してきたこと。出し切ったこと。自分の思いを素直な言葉にしたヤングスは、「(今後は)代表チームを遠くから応援する。楽しみ」と語っている。
レスター・タイガースでのプレーは、今後も続ける。