ベストの布陣を組んだ。
10月28日にラグビーワールドカップのファイナルを戦う南アフリカが、同26日の午前9時、出場予定選手のアナウンスと記者会見をおこなった。
ニュージーランドとの決戦に挑む。
毎試合、ボムスコッドと呼ばれるベンチスタート8選手の構成が注目される同チーム。
今回はプールステージのアイルランド戦同様、FW/7人、BK/1人となった。
その構成に対しジャック・ニーナバー ヘッドコーチ(以下、HC)は、「結果を出すためにチームを選びました。選手個人やエゴの問題ではなく、南アフリカのために。選手たちも、そう受け止めています」と話した。
「チームは15人ではなく23人」
ニーナバーHCは、必ずそう話す。
「メディカルスタッフから過去のパフォーマンスの報告、ニュージーランドについての多くの分析や、どこで優位に立つことができるかなど、(メンバー選出には)多くのことが影響を与えます」
ボムスコッドの選出は、コーチ間で話し合い、決める。
「(8人の内訳は)5対3から議論し始め、6対2についても7対1についても議論し、そしてまた戻ります。10分で終わるようなものではなく、何時間も議論します」という。
メンバーアナウンス直前、ワールドラグビーは準決勝のイングランド戦で起こったトラブルについて声明を出した。
HOボンギ・ンボナンビの発言に対し、相手FLのトム・カリーが差別的なものだったと申し立てをした件についてのものだ。
調査を進めてきたワールドラグビーは、「試合の映像、音声、両チームからの提出情報を含む、入手できるすべての証拠を考慮した結果、ワールドラグビーは現時点で告発するに十分な証拠がないと判断しました。従って、追加の証拠が公にならない限り、この件については終了」と判断。機動力抜群のHOは決戦のピッチに立てることになった。
ニーナバーHCはこの件について、チームのバックヤードで支えるスタッフたちのサポートに感謝した。
「私たちはバブルの中にいた。ラグビーに集中できた」と、準備の日々を振り返る。
決勝の先発メンバーは、準決勝のイングランド戦から2人が変更。SHにファフ・デクラーク、SOにハンドレ・ポラードが入り、チームを動かす。
ふたりが揃って先発するのは25試合目。オールブラックスとは8回目の対戦だ。
先発15人の総キャップ数は987。そのうち10人は2019年大会の決勝にも出場しており、経験値の高いチームとなった。
ボムスコッドに入ったLOのRG・スナイマン、FBウィリー・ルルーも、前回大会のファイナル経験者だ。
SHの負傷時には、WTBのチェズリン・コルビを起用する想定だ。
「彼は7人制のSHに相当するスイーパーとしてプレーしていました」と説明した。
FLコリシ主将は、順調に準備を重ねてきたことを伝えた後、「人生で最大の試合になると思う」と続けた。
大会直前の8月には35-7と完勝しているが、7月には20-35と敗れている。
最高の舞台で決着をつけ、ふたたび世界一の座に就きたい。